才能 | ハリケーン銀河 :warp:

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よく耳にする言葉ですが

努力は必ず報われる なんて

なんて嘘吐き。


いくら努力を重ねたところで、最終的には才能だとか素質が無ければだめなんだって私思う。

質の悪いブドウは丁寧に時間をかけて寝かせたって、最上級のワインにはならない。

またその逆で、質の良いブドウなら、そのまま食べても美味しいのだ。



どーしよーもなく
それは事実であって真実なんである。



だから、おっしー先輩はずるい人だ。




先輩はしょっちゅう部活を休んだ。
届けも出さずに休んだ。むしろ来る方が稀なことだったんじゃなかったっけか。



そのくせあるとき、ひょいと現れては、ひょいと難しい技なんかを見とれるキレイさでやってのけるの。

しかし決め手はなんといっても彼女がかわいいってことだ。

あなどるなかれ
可愛い子は、女からだってしっかり可愛いがられるのである。




これがもし後輩だったらさぞ憎らしかっただろう。

幸い、おっしー先輩は、先輩だった。
ゆえに、私たちは憎まなかった。
むしろ、
それなりに厳格な一体育部にもかかわらず、自由奔放に振る舞うことを唯一許されている様に、口には出さずとも憧れたのは私だけではないはずだ。



練習の成果を見せる文化祭の演武の日
やっぱり、1番の出来を見せたのはおっしー先輩のベアだった。

終了後、全員が一人ずついままでの感想を述べた。

こっそり泣いてる人もいっぱいいた。
あたしも泣いた。
自分のしたことに感動して泣くなんて生まれて初めてだった。

観客も少なくて、コーチと部のみんな以外に誉め称えてもらえるようなことではないけど、
あんな素晴らしい自己満足ってなかった。

最高の自己満足だった。


一方、
おっしー先輩はケロリとしたもんだった。




先輩は恵まれた人だ。
だけど、この演武で何も得なかった人もまた先輩だけなのかもしれない。

そう思ったら、たちまち、先輩が全然羨ましくなくなったのだった。


情熱の無いものにある才能なんてつまんない。

才能のあるなしは成功の決め手にはなるけれど、
無いことは必ずしも不幸の決め手ではなかった。
少なくとも私にとっては。