毎年、その時期になると募集が始まる。
その年のテーマが気に入って
絵の才能はないけれど美術は好きだったし、
書きたい絵が浮かんだので出してみました。
でも、締め切り当日にうっかり絵を忘れてしまい

次の日の朝提出、選考はその日のお昼でした。
締め切りは過ぎちゃったけど、選考の時間には間に合うし
一応候補に入れるだけ入れてみて下さいとお願いをしたら
問題はないだろうと責任者の先生がOKを出してくれました。
放課後。
なんと!私の絵が最優秀賞に選ばれたことを知りました。
物凄く嬉しくて嬉しくて、一人で気持ちが抑えきれず、
友達みんなにこの気持ちを話して、なんとか自分の気持ちを落ち着けました

他人に認められるという初めての経験に、その日は1日中踊るような気持ちでいっぱいに。
ハッピーすぎて、私の話に1人だけ苦笑していた友達がいたことを、気にも止めなかったのです。。。
翌日、
母親がその子を連れて教員室に乗り込んで来ました。
母親はヒステリックに騒ぎ、その子は隣で嗚咽しながら泣きまくり、
先生達は2人を宥めつつ、別室に連れて行こうと必死。
廊下には普段は聞いたことがないような声が響きました。
その時に初めて知ったけど、
その子も応募し、優秀賞だったらしい。
期日が間に合っていなかった絵を選考に入れるのは不正だ。
私の絵がなければその子の絵は最優秀賞なのだから当然最優秀賞は娘のものだ。
そして、無学の私の絵など無価値で、
小さな頃から絵画教室へ通っている娘の努力を
教育をする立場として先生達は認めなければいけない、と。
まぁ簡単に言えばそんな感じのことを喚いていた。
選考担当の先生が私を呼びにきた。
絵の事で相談があるから話合おうと。
部屋へ向かう途中、落ち着きを取り戻し帰ろうとする母子とすれ違った。
白髪を染めもせず振り乱した白髪混じりの髪、
ガリガリに痩せた体にボロボロの服を着て、
気の弱そうな顔には不釣合いの、怒りと不満でいっぱいな目をした母親と、
泣きはらして怨めしそうな顔で睨んできたその子。
その様があまりにも荒んでいて、餓鬼の母子を見たような気がした。
貧乏で有名なお家だったけど、この人達が貧乏なのはお金がないことではなく
最も貧相な心の貧乏人だと思った。
うちも貧乏だけど、心の貧乏人には絶対にならないようにしようね!
と家に帰ってから母親に話したのを覚えている。
ちなみに、絵の件はどうなったかというと、
あまりにも母親が譲らないので再審査になりましたが、
その子の絵は怖くて体育祭のポスターには合わない
という意見が多数あり、やっぱり却下。
私の絵のままにということになりましたが、母親は納得いかず。
最優秀賞のポスターがトップページを飾る印刷物のトップに
娘の絵を使うなら許すと言い出し、先生達はそれで手を打ったようだ。
誰もポスターになんか注目していないから、
トップページにのったその子の絵が最優秀賞だと思っただろうと思う。
私は印刷物を渡されるまで知らなかった。
悔しかったけど、印刷されたものは今更どうにもならないし、
モンスターペアレントの言いなりになっている先生達に呆れた。
さらにその後、原因不明のインクの染みを私の絵につけられたりもした。
誰がいつ、どのように、何で。。。
全く不明だった。
一連の騒動をできる限り寛容な気持ちでいようと努めている自分と
よく分からない正義漢で子を守ろうとする母親
泣けばどうにかなると思っている自分では何もしないズルい子ども
事を丸く収めたいだけのモンスターペアレントの言いなりな先生達
バカらしくて、悲しくて、インクの染みを修正をしながら涙が止まらなくなった。
たかが学校のポスターなのに、
これだけ感情の上げ下げさせやがって、
相変わらず人生はクソッタレだなと思った出来事でした。
でもお陰様で、今のところ私の中に餓鬼が住まうことはなさそうです
