『78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット』と『リーディングがもっと楽しくなる 78枚で占うタロット読み解きBOOK』と『4週間でマスター！ 書き込み式 78枚で占うタロットレッスン』をご好評いただき、ありがとうございます。
イマジネーションを広げることができると、先を考えてどうしたらいいかのヒントや、今向き合うべき課題を得やすくなります。
タロットは、混乱した自分を振り返り、冷静になるための導きにもなるでしょう。
どうしようもなく、途方にくれる状況になったとしても、そこであきらめたり、逃げ出そうとせず、向き合うためのイマジネーション力です。
｢どうしたら解決できるのか｣を知るには、現実直視が欠かせません。
嬉しくないカードが出ても、そこから目を背けずに受け止めて、どうすることが必要なのかを見極める訓練になるタロットです。
タロットで占うこと以上に、タロットで鍛えたイマジネーションを広げる力が、そのまま現実に役立つようになると言ってもいいでしょう。
タロットカードは、たった78枚しかありません。
これを多いと思うか、少ないと思うかは人によって異なるでしょう。
78枚のカードそれぞれには、無限大の解釈があり、解釈を無限に広げていけるかどうかが、タロット占いをする占い手の力量になります。
たとえば、愛を意味する「女帝」のカード。
それが相手の気持ちや、自分の気持ちで出たら、大切に思っていることになるでしょう。
愛していると受け止めていいはずです。
一方、その愛が大きすぎて、母が子を思うような愛になっていたら、過保護や甘えになるかもしれません。
満ち足りた幸せな状況もあれば、うんざりするような有難迷惑の愛情、舐め腐った態度を誘発することもあります。
無償の愛、自己愛、利己的な愛、恩着せがましい押し売りの愛、共依存の歪んだ愛、愛だと思い込んだだけの愛に至らぬ形など……まだまだほかにもあるでしょう。
「愛」と聞くと、崇高で素晴らしいものをイメージすることが一般的だと思いますが、実際にはそんな愛は珍しく、だからこそ崇高なのです。
という、シュールな愛にまで考えを深めていくことで、「女帝」のカードの読みが深まっていくのです。
＜女帝のカードの参考記事＞
【タロットのあだ名】おかんカード
恋愛を占ったときの【タロット】の「女帝」VS「恋人」
このように、１つのテーマを掘り下げながら、いろいろな視点から考察を深めることで、善悪という分け方が、いかにチープで幼稚なものかがわかるようになります。
「死」や「悪魔」のカードを見て怖いと思うだけでは、カードが示す事の本質に理解が深まっていないことです。
現実に役立つイマジネーションの広げ方の例を、現在のテーマ「３密」についてみてみましょう。
密閉、密集、密接を意味する３密です。
それぞれの「密」に対して、思い付く情景を並べてみましょう。
密閉：換気がない、空気がこもる、息苦しい、臭い、ホコリっぽい、ムッとする、暑い、風が通らない、隙間がない
密集：集まりすぎ、身動きがとれない、満員の状態、人が溢れている、うるさい、コントロールしにくい、勝手がきかない
密接：面と向かう、寄り添う、長時間の語らい、関係が深い、親密な関係、切り離しにくい、影響を及ぼし合う
では、これらの要素から、具体的な３密を連想してみます。
イベントや会合などの大人数での集まり、空気がよどむ換気の悪い場所、劇場や映画館、人口密度の高いスポットや時間帯、密閉状態の空間、並んだり待ったりする状況、雑踏や人混み、行列、待合室……
ここから、さらに想像を広げると、たとえ少人数であっても、狭い場所で寄り添うことが危険であることがわかります。
エレベーターや外で入るトイレ、地下室なども浮かんでくるでしょう。
換気のしずらい場所は、そこに居た人の吐き出した息が残っているかもしれませんし、狭い場所では、必然的に肩を寄せ合うことになり、密接を招いてしまいます。
このように、どんどんイマジネーションを広げていけば、自分のマンションのエレベーターでさえ、他の家の人と同乗しないことが望ましいことがわかり、屋外であったとしても、人が集まりやすい天気のいい昼間の公園や、買い物に出掛ける人の多い時間帯のリスクの高さにも気付くでしょう。
なにを避けて、どう過ごしたらいいかが見えてするのです。
タロットは、物事を掘り下げて考える訓練になります。
自らじっくり考えて、可能性や選択肢を広げられるようになる、素晴らしいタロットなのです。
78枚シリーズ第三弾：書き込み式レッスン編
78枚シリーズ第二弾：リーディング編
78枚シリーズ第一弾：基本編
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