占いの答え　～　占いと適職

生年月日を用いる占いでは、その人が持って生まれた特徴から、さまざまな一面を読み解くことができます。

その中の１つ、適職を例に、占いの答えを考えてみます。

占い師になって、多くの占い師に出会い、互いに占いあったこともありました。

そのときによく言われたのは、会社経営に向いていて、実業家タイプ。リーダータイプということ

確かに、星でみるとそう読めるのですが、その読みは、あくまでも「適職」だけを漠然と読んでのことで、私の性格や好み、希望などは考慮していないでしょう。会社経営に関心がないし、やりたいとも思わない。リーダーにもなりたくありません。好きにやりたい私なのですから！

ということで、有難いけれど残念な適職占いで終わってしまいますが、占いで告げられる適職は、適職に関する一部の象徴だけで判断されるケースが多いもの。占いでそう言われたからそうなんだと思い込むのは危険でしょう。

占いで出た「向いていること」は正解だと思いますが、それをやって続けられる自分がいるかどうかを判断するのは自分自身です。

※「適職＝生業」と考えるなら、毎日ずっと何年も続けられることが条件になります！

向いていると言われても、やりたいことでなければ続かない＝結果を出せない

向いていないと言われても、やりたいからやる＝下手の横好き or 好きこそ物の上手で大成功

占い結果は、参考として受け止めて、今の自分を自身で見つめたほうがいいでしょう。

対面鑑定をしていたとき、お客様からよく聞かれたのは、「前に、別の占い師さんにみてもらったら、私も占い師に向いていると言われたんですけど本当ですか？」という質問。大抵の場合、私の適性ケース同様に、「向いているは向いているけれど、向いていないよね？　ご自身で、そう思いませんか？」という程度……。

自ら占いを受けに行く人は、精神世界や不思議なものに関心を持つ傾向があるのは当然で、そういうもの（占い）が「好き」なのですよね。でも、占いを人にすることと、占ってもらうことは別のことで、しかもそれを生業にするとなると、さらに別の話になります。

しっかり適職を占ってほしいときは、目指しているものがあり、どの方向にそれを向けていくと、力を発揮しやすいかという質問が好ましいでしょう。

また、本当の答えを知りたいなら、「私は○○に向いてますよね？」という、期待を込めた質問の仕方も控えたほうがいいでしょう。期待が丸見えの状態では、仮に向いていないときでも、「向いていません」とは伝えにくくなり、占い師によっては、向いていることにしてしまうかもしれません。私がこうした案件を受けたときは、「向いていないとは言えないけれど（向いてないですとは言いにくいので）、ほかにもこんなものが向いていそうですよ」と、話の矛先を変えていました。

話がそれますが、適職が事務職や経理と聞くと、がっかりするけれど、女優や俳優、芸術関係といわれると、すごく喜ばれる傾向があります。事務職や経理は、会社運営に携わる大事な仕事です。それなのに喜びを示さず、ビッグスターなれるとも言われていないのに、女優や俳優といわれたり、芸術関係と聞いて喜ぶのです。気持ちはわからないでもないですし、自分が目指していた職業だったならいざ知らずですが、華やかな適職が出ると、大抵の人が舞い上がります。しかし、派手か地味かが適職や適性の吉凶ではありません。そこをクールに受け止める思考回路も必要です。

仕事でもなんでも、向いていることをやれば大成功できると思うでしょう。しかし、「向いていること」の度合いや、本人が置かれている現状や実際の行動、何をもって「成功」とするのかでも変わってきます。

366日の誕生日占いの原稿を書くときにいつも思うのは、そこに書かれた可能性だけに視野を絞らず、そこからさらに広げていってほしいなということ。仮に向いていることがわかっても、それに関心がなく、ほかのことを目指したいならそれでいいと思います。でも、気付いたら何となく、適性に向くといわれていたことに向かっていたら、それが本当の占いなのではと。

会社経営に向いていて実業家タイプとまで言われても、ただのフリーランスを続ける私ですが、これも考え方を変えれば、誰にも雇われず、自らがトップであり、たった１人の従業員である経営とも読み深めることができますね