担当の療法士さんが休みの日以外は、日に二回のリハビリが続いていた。
基礎的な筋力増強運動、日常動作が可能になるようインナーマッスルの増強運動が続き、歩行訓練も始まった。
最初は平行棒の間に立ち、棒をつかみながらの歩行。
最初は立ち上がると眩暈がして立っていられなかったが、腕の力で支えた。
歩行すると足がもつれてまともに歩けない。
療法士さんによると歩くと無意識に左足が内側に曲がってきて右足に当たっているそうだ。
もちろん全く気づいていない。
リエナクト(歴史再演)の基礎教練で行進していたのに、あの動きが全くできない。
言う事をきかない足にイラついて、つい「クソッ この足!」と悪態をついたら、「怒らないで足をいたわって早く良くなってねって言わないと治らないよ」と療法士さんにたしなめられた(笑)。
それにしても足の野郎、全く思い通りに動かないw。
脳の指令と運動神経が部分的に切れているからだと言われた。
しかし、1週間ちょっとでこんなに衰えるものなのか。
一度断たれた回路でも使っているうちに徐々に戻ってくる、という言葉を信じるしかない。
体にあまり負荷がかからない程度で始まったリハビリだが、一日に2回の種類の違うリハビリは疲れた。
数時間の間を空けているが、透析の後だと特に疲れやすくなったように感じる。
何日かしてもフラつきはなかなか収まらなかった。
手すりなしで10mも歩けない。
療法士さんと並んで歩いているうちに「ああ、これは軍隊基礎教練のやり直しと思えば良いのか」と閃いた。
胸を張って顎を上げ、テンポを刻んで左!左!左!
握った両手を振り(米英軍式)足は力強く踏み出す!(ここは日本軍式)
脳内で行進訓練を思い出していた。
子供の頃から軍隊ものだと俄然やる気が出てくる私だw。
すると足は少しもつれるものの、前より上手く動いて歩けるようだ。
これだ!基礎教練のやり直しだ!!次からもこれで行こうと思った。
リエナクトで行進練習とかやっていて良かった。
何がどう役立つのか人生は全く解からない。
(今日のタイトルは傑作映画『博士の異常な愛情』のパロディーです)