勇者のセイジ 第4話 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「遅れて申し訳ございません、セイジ様。
熟考の末に私達はやはりセイジ様にお付き従うことを選択致します。」

「ありがとう、サラ。それにフィーネにアビスも!
仕事は山ほどある。
まずはこのシオンの村を、美しかった漁村の姿を取り戻せるように力を貸してくれ。」
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村の中でも一際目立つ大木に手をかざす少女。
暖かい光に包まれ枯れた大木に「命」が吹き込まれていく。

この世界に抱く疑問の1つとして

「何故、戦闘に使う魔法を日常生活に応用しないのか?」

ということだ。

ファンタジーなこの世界では魔族と魔法を除いては中世から近世にかけての文明に過ぎない。
だが、肉体を強靭にする魔法や、物質を凍らせる魔法は、21世紀の日本よりも遥かに優れている所もある。
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「…素晴らしい志ですわ…。
たった一本の樹から生命を育む…。
大魔王を倒すよりも遥かに尊い行いですわ…。
私が師事したシスターも、きっと今のセイジ様の行いを褒め讃えることと思います。」

「サラ、村の緑化はお前に任せる。」

「はい、喜んで!
回復呪文とは生命エネルギーを促進させる魔法。
戦いの傷を治すよりも、草花を元気にすることに使う方が…。
私に似合ってると思います。」

「そうだな、王宮に閉じ込められてる時よりもずっと輝いてるぜ、サラ!」

「そんな…お恥ずかしいですわ…。」


「ふ~ん、サラちゃんは女のコらしくて可愛くて王族出身で、回復呪文が得意で、おまけに素直で従順で!あたしなんかよりずっ~と勇者セイジ様のパートナーに向いてるんじゃな~い?無理にあたしみたいなガサツで乱暴な女を選ばなくてもいいんですよ~?」

「オメガ、俺はサラに仕事としての役目をだな…。」

「へぇ~それにしてはあたしより随分優しいこと。」
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このRPGのもう一つの目的は、誰をパートナーとして選択するかだ。

勿論、俺は幼なじみの女騎士オメガ=カタストロフィ(18)が一番だが、他に…。

王族出身でシスターに師事し、奉仕活動の際に俺の仲間となった
ネハン=サラ=ソージュ(16)

天才的な魔力を持ち、その才能を忌み嫌われ居場所無くした孤独な少女、フィーネ=クライマクス(12)

ぱふぱふ屋の看板娘兼用心棒から俺達と旅をすることになった武道家・アビス=エデン(24)の4人のヒロインから誰をメインとするか?なんだが…俺には4人とは限らないのでは?との疑いがある。