創作小説「天界からのお知らせ」 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

聖ヨハネ総合病院は、出向中の天使や、天界に認められた聖人達が直接運営する「天立病院」です。

妖怪、妖精、天使、悪魔の患者様も安心してご来院くださいませ。


天上界からの重要なお知らせ

「慈悲課」と「守護課」の合同研究班は、今回のウイルスが

「人間に変身中の妖怪、妖精、天使、悪魔にも感染する」との見解で一致しました。
また、本人に症状がなくとも、「人間に変身した者同士では感染する」という可能性が極めて高い、ということをお知らせします。

「自分のコミュニティ(巣)で変身を解けば大丈夫」という考えは危険です。
完全に感染していない目安としては、14日間連続で変身を解き、人間は勿論、自身と同族を含めた異民全ての接触を断ち、無症状だった時に「感染していない」と言えるかと思います。

聖ヨハネ総合病院では、あらゆる異民の検査を分け隔てなく実施しています。

少しでも感染の可能性に心当たりがある方は病院に来てください。

なお、人間界の滞在資格を持たないいわゆる「不法異民」の方達への検査も実施しています。
今回の件で、異民局が摘発の対象としたり、コミュニティへの強制送還に踏み切ることはありません。
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不死族の皆様へ。
ごく一部の不死族の方が「俺達は死なないから。どうせ死んでるから」と、人間に化けた骸骨族やゾンビ族が経営するバーやパブでクラスターが発生しています。
人間に変身中は、不死族の方も「保菌者」となり、貴方を媒介として感染を広げる可能性があります。
また、不死族の貴方でも、人間に変身中に重症化すれば死に至ります。変身を解く魔力も無くなり、不死ではなくなります。
また、感染を知りながら店を経営したことが判明した場合は、「対魔課」の強制執行対象となり、二度と人間界に赴くことは不可能となるでしょう。
そして健全かつ健康な不死族に対する差別も絶対にやめましょう。

最後に重要なお知らせ。

聖ヨハネ総合病院では「人間と契約した悪魔」のみ来院はお断り致します。

契約した悪魔は契約主の名前を絶対に言わない為に、経路の追跡が困難になるからです。院内を危険にさらさないための判断です。

このホームページをご覧の妖怪、妖精、天使、(単独で変身した)悪魔の方、または人間の方。
契約した悪魔は写真に写りません。
変身した妖怪、妖精、悪魔には指紋がありません。天使は夜に光ります。独りで悩んでるのを見かけたら優しい声かけを。了