「練習でフライを正面で捕球してどうする!
練習中だからこそ、敢えて極端に前に守ったり、後ろに守るんだ!
そこから猛烈にダッシュして、精一杯身体を伸ばしてキャッチする練習を繰り返すんだ。
そうすることで試合では、今まで捕れなかったボールに追い付けるようになるんだ。
真正面のフライを真正面で捕球してもそれは『当たり前だ』。」
はい、阪神タイガースの福留孝介外野手の言葉です。
イチロー選手が「準備が大事」と繰り返し言ってたことが取り上げられるようになり、「準備力」という言葉が使われましたが、つまりはこういうことです。
「何を想定して、どの部分に時間を割くか?」
反省するとは落ち込んだポーズを決めることではありません。
傾向と対策を練ることであり、自分を客観視出来るかです。
「運が悪かった」は確かにあります。しかし、どれだけ想定出来るか?ですね。
また、福留選手は若手外野手に
「全ての打球を捕るのは不可能だ」
とも言ってます。
私見ですが、「効率主義」と「成果主義」は別物です。
コストの(表面上の)無駄が生み出す成果はあります。
不必要な物を削減したことによる、見かけ上の停滞や失速を、どれだけ我慢出来るかも非常に重要ですね。
まぁ、私もこの年になれば
「何をするか?」の大切さよりも、「何をしないか?」の見極めの重要さを痛感しています。
若い頃はあれもこれも、と思ってしまいがちですが、「やらなくても大丈夫なこと」をどれだけ作れるかが大事かと思います。
勿論、それは若いウチにガムシャラに身体と頭を働かせた積み重ねだと思います。
若者達の「スパルタ否定」をもの凄い勢いですからね。それが効率主義信者になり、単純単調な反復練習を嫌悪するようになるわけで…。
確かにスマホ検索すれば何でも出てくる便利な時代ですが、それよりも迅速で便利なのは「最初から知っている」「過去に検索したことを憶えている」ですからね。そこで重要なのは「何を忘れるか?」
ですよね(笑)。
無駄のない反復練習が一番の近道である。
だがそれはたった一つの目的に対しての最短距離である。
何かの犠牲なくして何も得ることは出来ない。