ブルーキャット 第六話 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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確かに彼は地元の中学に進学しなかった。不思議だな?と思っていたら、一家全員が突然居なくなっていた。
勿論、小学校高学年くらいから、彼は休みがちになり、私達と交流しなくなってしまった。
そう、私達で封印したブルーキャットの4本の鍵の一つを持って…。
彼に会えない限り、いえ、私達四人全員の同意がない限り、ブルーキャットを完全復活することは出来ない。
だから英才さんがどんなに私を脅迫しようとも、ブルーキャットの「未来テクノロジー」を軍事利用することは不可能なんだけど…。
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「率直にどう思うの?源(みなもと)さんは?」

「これだけでは何とも…。
でも、grass runner (草原を駆ける者)を名乗るなら、ヨーロッパに伝承される妖精に習って、植物を愛する彼らしいけど、glass(ガラス)って…。彼らしいスペル間違いか、彼の眼鏡(glasses )を象徴してるのか…。
ただ、私はやっぱり彼がテロリストや狙撃手に身を堕とすなんて考えられないわ。
運動も苦手なのに…。」

「冷酷な狙撃手glass runnerは、子供には優しくて、スラム街の少年少女に日本の『あやとり』を教えたって、ネットの噂があるほどよ!」

「そんな…まさかホントに…!?」

「何の取り柄もない彼でも、『あやとり』、『射撃』、そして『漫画の批評』は天才的…だったっけ?」

「そうね…。それだけはブルーキャットに頼らなくても、彼自身の能力よ!でも、それだけじゃない!植物を愛する心や、他者の気持ちに敏感で、一緒に喜んで、一緒に悲しんでくれる青年になってるだろうって、私のパパも言ってたもん!」

「…源 静香(みなもと しずか)さんに女友達が居ない理由が良く解ったわ!
貴女なら解ってくれると思ったのに!
いいわ、『彼』じゃなくても、私の世界中の絵師仲間の『ラフレシア同盟』でglass runner とコンタクトを取り、彼を雇うわ!
ターゲットは…主戦派議員の出来杉英才(できすぎひでとし)よ!」

「待って!話が飛躍し過ぎよ!反戦運動の為に骨川コンツェルンと絵師のクリスティーネさんが協力するかの話でしょう?
義賊の狙撃手が彼かどうか以前に、テロを肯定しないで!」

「源さんの言うとおりです!社長の幼友達の妹さんとはいえ、我が骨川コンツェルンが会社ぐるみでテロ支援など言語道断!社長秘書の私が許しません!出ていきなさい!」

「河井くん、落ち着いて」