イギリスの哲学と大陸ヨーロッパの哲学 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

私のバイブル1 新渡戸稲造の

「武士道」

には

イギリスの子供は

「独立した個人になれ」

と、教育されます。

フランス等の大陸ヨーロッパの子供は

「たくさんの人達に役立つ人間になれ」

と教育されます。

私のバイブル2

「ソフィーの世界」

には

「イギリス経験主義」

「大陸理性主義」

と大雑把に分類しています。

近代哲学の幕開けはルネ・デカルトが「神様の証明」を、数学を用いて成功したことから始まると、何度も書いてきましたが、イギリスの近代哲学はロックによるホッブスの否定から始まると思います。

ホッブスは日本の「公民」の教科書にも出てくる「夜警国家」の基礎を提唱した人物です。
言うなれば、

「人は何もしなければ悪を為す」

という考えです。
「決まりを作らなければ無法地帯となるから、社会は約束事によって守られてる」
って考えです。

完全に規則のないフラットな状態の社会では人間は

「万人の万人による殺し合いが起きる」

と、提唱したのがホッブスです。
それに異を唱えたのがロックです。

この時のロックの主張こそが「啓蒙哲学の幕開け」だったと思います。

ロックは人間は法律や道徳がなくとも、内自発的に反社会行為は抑制される、と説きました。

ホッブスは欲望を相互に抑える契約を結ぶことで成立する、と主張したのに対してロックは

「他人の生命・財産・健康・自由を傷つけてはならない自然法が存在している。それを実現する為には公共の権利に『委託』することが必要であり、国家が国民との契約が守られなかった時に『抵抗権』が存在する」
と主張しました。

ホッブスはその自然権を国民は『放棄』するように説きました。

しかし、そのロックの考えを更に徹底したのが、フランス人のルソーです。
ルソーもモンテスキューもヴォルテールも、イギリスに留学経験がありました。

「経験主義者」らしくないイギリス人のロック。
彼から学んだフランスの三人が自国にその思想を持ち帰り、ロックの死後85年後にフランス革命実現します。
これはルソーの死後11年後のことです。
ロックはルソーが8才の時に亡くなってますので、直接学んだではいないと思いますが、影響を受けたのは確かです。

なお、ホッブスの経験主義の系譜はバークリやヒュームに受け継がれます。

徹底した経験主義者のヒュームは
「観念は印象から来る」との言葉を残しています。