ファインチューニング! ~マリアにお願い 8 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「どうしても通してくれないのかしら?」

「当たり前です!
誰も居ない屋上で、貴女と若い男性を二人きりにするなど、狼を羊の群れに放つようなものです。」

「あら、ここを通りたいのは、私だけじゃなく、隣に居る五月も同じ気持ちよ。」

「余計に危険です!篠山五月さん、貴女も三好さんに負けず劣らずの問題児ということを自覚してください!」

「ねぇ、真理亜。
この場合どっちが狼ですの?」

『弥生は黙ってて!』

「貴女達が狼です!」

「『女』が『ケモノ』に豹変すれば、『娘』が『狼』になるわけだ。」

「……。」

「……。」

「じゃあ、そういことで。
ゴリエちゃん、お仕事お疲れ様。」
「はい、お疲れ様。
って、上手いこと言ったからって、通れると思うな~!」

「惜しい!
もうちょいだったのに!」

「惜しくありません!
大体、ここを通って何をするつもりですか?」

「何をするつもり…って、ナニをするつもりはまだありません!」

「篠山さんも乗っからないで!
一人でも大変なのに!」

「ねぇ、五月は本当に電気屋さんと何をするんですか?」

「創世記38章を…。」

「オナンの項はもういいから!
子作りしなきゃいいってもんでもないでしょ!」

「屋上ならコウノトリさんも、赤ちゃんを運びやすそうですわ。」

(三人全員で)「お前が一番危ない!」

****
「とにかく、ドアは開けて、私は貴女を監視はさせて頂きます。
これはあの時(前作オーバーフェンス参照)の貸し借りはなしよ!」

「ありがとうゴリエちゃん。
恩に切るわ。
よっぽど播磨屋のおじさんにお熱みたいね。」

「え、ええ。
本当に私なんかには勿体無いほどの…。
まさかこの歳になって…。」

「ふぅ~ん、最初で最後の大恋愛ってわけだ?
ゴリエちゃん、私も今、赤尾さんに対しておんなじ気持ちなんだ。
今はまだ小さな憧れと片想いだけど…。
私、このドキドキを信じたいの!
真理亜、弥生、ゴリエちゃん。同じ女ならわかるでしょう?」

「五月、頑張ってきなさい。恋は当たって砕けろよ!」

「篠山五月さん、三好真理亜さん。部外者に恋のお世話は出来ても、愛のお世話は出来ないものよ。」

「へぇ、ゴリエちゃん良いこと言うじゃない。」

「私がここの制服来てた時代の院長先生に言われた言葉の受け売りよ。
勿論、私は貴女達ほど見た目に恵まれてなかったから連戦連敗だったけどね♪」
(続く)