オドラサレ 30 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

(僕が悪いんじゃないんだ。
あの女がいけないんだ。
快楽だけを貪る女には、僕を生まれ変わらせることなんて不可能だったんだ!
…行為が終わった後に確認したが、やはり僕は僕のままだった。
あの女はわざとらしく『貴方らしく』なんて言うから、本当の僕を見せたら…。

『化け物!』と罵る君が悪いんだよ。
だから、お望み通り『僕の体内で一つに』結ばれてやったのに…。
脆弱な所だけは人間だったんだね…。


乙女の涙が黄金に変わると教えてくれたように、僕を人間に帰るのも、やはり乙女じゃないと駄目なんだよ。
あの方に教えられなくとも…きっと同じことを言うだろうさ…。)
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「ドン!ドン!!」

「開けなさい!陽菜!
何があったか知りませんが、その更衣室はみんなが利用するのよ!
それが分からない年じゃないでしょう!」

「帰って!小夜子ちゃんもママも大嫌い!
みんな帰って!」

「陽菜!いつからそんなワガママになったの?
みんな帰りたくても、あなたが更衣室に立て籠ったら帰れないでしょう?」

「教室のみんなはもう帰ったから、私達以外は居ないわ!
とにかくママも小夜子ちゃんも帰って!」

「陽菜!またそんなワガママを…申し訳ございません。」
****
(一番信頼してた人間に裏切られた気持ち…。
僕はわかるよ)

「キャー!誰?」

「怖がらなくていい。僕は君の味方だ。
何よりも僕たちは似た者同士だ。
だからわかりあえる。
深くね…。」

「大瀬良先生!
レ、レッスンを…や、休んで、女子更衣室に潜んでるって、どういうことですか?」

「待ってたんだよ…ずっと…君を待ってたんだよ…。」

「私ですか?
あの…先生、私は、小夜子ちゃんが年の離れた警備員さんと親しくしてたのを見たら胸が苦しくて…。」

「年は関係ない。佐伯くんは知らないことを茶谷くんが知ってることに嫉妬してるだけだよ。」

「陽菜!中に誰か居るの?開けなさい!」

「そうなのかな?」
「そうとも。早熟な茶谷くんに負けたくないなら、君も経験すればいい。」

「経験?どうするんですか?」

「僕と一つになるんだよ!!」

「え?嫌!ママ!助けて!」

「君の穢れなき乙女の肉体は、ベリト様もさぞ喜ぶだろうさ!」

「…ベリト?ねぇ、聞いた?遂に自分から契約悪魔の名を言ったわ!」

「貴様!ダンダリオンの変身だったかー?」

「北御門さん、ママ役ありがとう。迫真の演技ね」続