「この三枚の折り紙が、私の身代わりになってくれるのね!ありがとう、星明。」
「お礼は私ではなく店長へ。
こんなレアアイテムを無頓着に倉庫に置いてたのですから…。
三回しか使えないのよね、大事にしないと…。何かそんな昔話あったわね…。」
「奈々子、次に犯人を割り出す手法ですが…。」
「それよ!相手が魔法や魔術を使うの待ってられないわ!
どうしたらいいの?」
「奈々子は久美子さんと親友だからこそ…。
スポーツジムに出入りする人間で、ここ数日、急に羽振りが良くなった者の噂を久美子さんに集めさせてください。」
「羽振りが?うん…久美子にお願いするくらいわけないけど…星明、人間社会の金銭感覚わかる?確かに女児のハンカチやタオルに興奮する変態さんが居るかもしれないけど、そんな大金が移動するわけないわ。個人で楽しむものじゃないの?」
「…私から答えを与えることは為になりません。
あくまで助言者ですから…。」
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原のオフィス
「宗時さん、タロットで犯人の目星をつけるなんてやってられないわ。
何かヒントを頂戴よ。」
「そうですね、僕から瞳に言えるのは…。
ティンブーや、オーナーが経営する別の店に、高価な品を持ち込んで来た一元さんをチェックしてください。
副店長の瞳だからこそ、店長と連携が取りやすいでしょう。」
「ええ…それくらい問題ないけど…女子小学生のタオルがそんな高額で売買されないわよね?」
「申し訳ありません。僕はあくまで預言者ですから。」
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喫茶ロビンフッド
「ブラウニーのお嬢ちゃんよ。
『現場100回』って言うくらいだ。
直接犯人に遭ったお嬢ちゃんの体験が鍵を握ってる。
だが強烈な体験が物事を歪んで見えさせる…。
『文学の悪魔カールクリラノース』として、『日本の伝統の遊び・花いちもんめ』のページをチャージしてやるぜ。」
「日本の古来の遊び?何でそんなのが?」
左手を小夜子の額に当てながら、真利子に対し
「アンドロマリウス、お前にはこれだ。ジャンプコミック『幽々白書』で雪菜さんが氷泪石目当てに囚われてる冒頭のシーンだ。」
小夜子に左手を、アンドロマリウスにおでこを当てるグラシャ=ラボラス。
アンドロマリウスは一人の女性真利子として、店内で起きたこの衝撃的なシュチュエーションに正気を保つのに必死だった。
「チャージした内容の解説は出来ねぇぜ。
あくまで俺は『提供者』だからな。」