オドラサレ 7 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

翌日の午前9:00

喫茶ロビンフッド
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ロビン店長が
「準備中」から「営業中」に札を切り替えるより早く、
ボーイッシュで小柄な少女はカランコロンと勢い良く店内に駆け込み、

「ロビン店長!ロリ○ンマルチーズを出せ!
隠してると為にならないぞ!」

と大声で叫んだ。
遅れて駆け寄る真利子は、まるで我が子の様をあやす様に小夜子を抱き上げて、必死に宥めようとした。

「小夜ちゃん、落ち着いて。
店長や他の従業員に迷惑でしょ。」

「これが落ち着いてられるか!
あいつのせいで私は、倫太郎に全部見られたんだからな~!」

顔を真っ赤にして涙ぐむ小夜子。
262年も生きている妖精ブラウニーだが、気になる異性に真っっ裸を見られたことを恥ずかしがる姿は、11歳の少女そのものだった。

「なんでぇ、朝っぱらから忙しい客だなと思ったら、アンドロマリウスじゃねぇか?
仕事は順調か?」

珍しくウェイターの制服を着崩すことなく、きちんとボタンも止め、蝶ネクタイを着けたジョニー・デップ似の男が奥から表れる。
彼こそが「殺人の悪魔グラシャ=ラボラス」であり、またの名を「文学の悪魔カールクリラノース」という。
アンドロマリウスこと安藤真利子とは、お互いに気持ちが通じあった仲ではあるが、現在は自分達の仕事を優先する関係にある。
当の小夜子もかつては「殺人の悪魔」「流血の悪魔」として、ダークヒーロー的にグラシャ=ラボラスに憧れの気持ちを抱いていたが…。

「犯人はお前だ!」

と言ったと同時に、真利子の腕の中から彼に飛びかかり、左手と両足でグラシャ=ラボラスの体躯にしがみつき、残る右手でポカポカと叩き続けた。

「痛い!痛い!アンドロマリウス何だこの娘は!?」

「小夜子ちゃん、やめなさい!グラシャ=ラボラスが犯人なわけないって何度も言ってるでしょう。」

と、真利子は再びグラシャ=ラボラスから小夜子を引き離して抱き抱える。

「だって、マリリン、『俺は海神リバイアサンを操れる』って…。このロ○コンが嫉妬の魔王と仲が良いのは知ってるぞ!」

(海神リバイアサン?)

「小夜ちゃん、あのね。グラシャ=ラボラスは、安易に殺人依頼する少女のパジャマを切り裂いて怖がらせることはあっても、誰かに頼んで脅迫まがいのことなんてしないわ!」

「それも十分脅迫だし!私は水のロープで縛られて身体ベタベタになったし!」

(ベタベタ?レビアたんが?)