オドラサレ 5 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「ま、真利子さん、私は星明から聞いた話しか知らないけど、彼は犯罪に手を染める様な人じゃないと思うわ。」

「ありがとう、奈々子さん。
ええ、私の『元同僚』は、ちょっと少女が好き過ぎて、依頼人の女子中学生のベットに潜り込んで勝手に添い寝する奴だけど、彼はこんなセコい犯罪者じゃないわ。」

「それも立派な犯罪だよね!!?宗時さん、悪魔の世界はこれがデフォルトなの…?なんか、ちょっとこれからが不安です…。まさか貴方も若い娘が…?」

ざわざわとみんながグラシャ=ラボラスさんを犯人扱いしてるのかしてないのか、話がそれぞれの彼氏自慢とのろけ話の脱線を繰り返してる中、小夜子ちゃんは…。

「もういい!私はとにかく着替えてくる!
グラシャ=ラボラス様が黒なら、明日ロビンフッドでマリリンと一緒に取っ捕まえる!
白だったら真犯人を捕まえる手がかりを聞き出すだけだ。
何だよ、みんな彼氏が居て良かったな!」

人間年齢11歳の小夜子ちゃんは、私達が心配してない様に見えたみたいだ。
ちょっと真剣味がなかったように見られたかな…後で謝っとかないと…。
星明ならこういう時のフォローというか気遣いは絶対忘れないもんね。
私も変わったなぁ…。

「ねぇ、そういや妖精ブラウニーの小夜子ちゃんは何でダンス教室に?
まさかあのチャラいい先生目当て?」

「う~ん、男目当ては間違いじゃないけど…。
大瀬良らい夢(おおせら らいむ)先生目当てじゃないわ。
小夜子ちゃんは、このビルのセキュリティスタッフの…。
ほら、噂をすれば…。」

私達から離れて、更衣室に向かおうとする小夜子ちゃんに警備員さんが声をかけた。
遠くて会話の内容は聞こえないけど、親しげな雰囲気はすぐわかった。
大柄な身体を縮めて、小夜子ちゃんに頭を何度も下げる様子から、どちらが主導権を握っるかすぐわかるわ。

「彼、須賀倫太郎くんていう警備の男の子なんだけど、小夜子ちゃんとは元から知り合いだったみたいよ。
その流れでダンス教室に通いだしたみたいね。
奈々子、安藤さん、北御門さん。
私は『そっち側』はよくわからないけど、スタッフとして、私にしか出来ないことがあったら何でも言ってくださいね。
じゃあ、私仕事だから…。」

「安心して、久美子。私達と私達の仲間で絶対解決するから。」

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「おい、倫太郎。外で見張るのはいいけど、絶対覗くなよ!」

「子供の着替えに興味ねぇよ!」続