私が小学生の時には考えられなかったわ。」
「ほら、きっと必死になってるのは親ですよ。
芸能人にさせる為とかさ~。」
友人久美子が働いてるスポーツジムの更衣室でお喋りに花が咲く私と北御門さん。
このジムでそういう事をやってるは知ってたが、特に私は関心はなかった。
でも、今日はじめてこのジムに来た北御門さんは、小学生が習うストリートダンスに興味津々なようで…。
「まだ早いし、せっかくだからガラス越しにダンスを見学して行きましょうか?」
と私は言った。
北御門さんも気分よく
「いいの奈々ちゃん?最近の小学生がどんな感じに踊るのかちょっと興味あってさ…。」
「ええ、いいですよ。
まだ早いからってこの後ビアガーデンに行ったら、流した汗が台無しですからね。」
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このジムは色んな施設がたくさん入ってるビルだが、キッズダンス教室はスポーツジムの一つ上のフロアだった。
廊下には予想通り、我が子を見守る母親達でいっぱいだった。
「うわぁ、けっこう激しいのね~。私には無理だわ~。」
この子供達の中で何人かは本当に未来のスターが生まれるかもしれない。
そう考えると、一生懸命練習するこの子達

(イメージ画像)
を先入観で否定出来なかった。
私はついつい店で星明に声をかける頭の軽い女子高生とこの小学生を重ねて見ちゃうけど…。
まぁ、女の子は幼い頃から強かさを兼ね備えてるもんだけどね。

(画像はイメージです。)
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母親達は、必ずしも我が子だけを見てる様子ではなかった。
北御門さんも私と同じことを感じたみたいで…。
「奈々ちゃん、あの若いインストラクター目当てよ。」
「あ~、わかるけど私的にああいうチャラチャラ系はないわ~。
星明の方が誠実そうだわ。」
「私も、宗時さんの落ち着いた雰囲気の方がいいと思うわ~。」
と、何か私達が会話すると店と同じで脱線しまくりだったんだけど…。
「よその男見ながら自分達の彼氏自慢なんて羨ましいですね。
こんばんは。」
「真利子さん!どうしたの?」
意外な場所で意外な人物に出会った。
「同僚の小夜子ちゃんがここの生徒で、私は送迎係です。
あの子人間に変身すると11歳になるから」続