ええと、「あくまで人間視点」で、今の私の目の前で起こってる現実を説明すると…。
女探偵の私は、警視庁公安部の能代さんに個人的に雇われて捜査のお手伝いをしてました。
年々親密になり、私達は恋人関係になりました。
彼の働きぶりにより、彼は出世が確定し、それにより私との仕事のコンビは解消となるはずでした。
私は仕事ではなく、プライベートで彼を支えたいと決意しようとした時、彼が既婚者だと知らされました。
失意の私はかつてのバイト先の同僚に助けを求めました。「能代警視を謝らせて」と。
更に元バイト先の彼は、常連客である女性刑事とその弟さんと知り合いでした。
そして能代警視の本命は、私でも奥さんでもなく、その女刑事の宇都宮さんだったのです。
能代警視は現場仕事最後の華とばかりに、宇都宮刑事の後輩の近藤刑事に限りなく言いがかりを付け、公安の権力濫用で所轄の彼を拘束します。
利害が一致した私達四人は警視庁まで乗り込んだけど…。
ウェイターの彼はカッターナイフを持ち出し、能代警視はインド流剣術で対抗し、宇都宮刑事はただ状況を見つめ祈っていた…。
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うん、人間社会ベースで見ても十分あり得ないファンタジーな昼ドラだけど(笑)
「ホーリーフェザー!!(聖なる羽根)」
「追跡する猟犬の牙!(ホーミングブレード)」
天使の羽根が手裏剣の様に飛び、折れたカッターナイフの刃が意思を持ってそれを迎撃する。
RPGみたいな展開は私達が悪魔で、宇都宮刑事と能代警視が天使だからです…。
「チキチキ!」
カッターナイフの刃をわざと出し入れして彼を挑発するグラシャ=ラボラス。
王明さんは苛立っていた。
(何故だ?身体が重い…。『戦いの旋律』が効いてないか?)
「どうしたい?エリートは勉強し過ぎか?」
「黙れ!ホーリーフェザー…。何?羽根が飛ばない…?」
「まだテメエが天使だと思ってんならめでてえよなぁ、ウリエル様?」
「能代警視、いいえ能天使インドラ。
私が黙ってただ祈ってたとでも?
これが私、音楽の天使ウリエルの最大奥義『沈黙の夜想曲』(サイレントセレナーデ)
貴方は私の「声なき歌声」に支配されてたのです。
術式完了。
『強制人間化』」
「私の羽根が!法衣が!」
「終わりだよお前。最後に俺が文学の悪魔として餞別のチャージだ。
本日の書籍は夏目漱石著『こころ』です。
『…精神的向上心の無い天使は馬鹿だ』」続