Black or White?①~セキララ 38 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「ウリエル様、ここは俺に任せてくれ。
色々と怒りをぶつけたいだろうが、まずは俺が契約通り、アンドロマリウスの恨みを晴らしてこいつを地べたに這いつくばらせてやるぜ。
ウリエル様は『黙って』俺の勝利を『祈ってて』くれ。」

それはグラシャ=ラボラスさんの合図だったことは直ぐにわかった。
1対1の勝負に見せかけて、彼は私のフォローを促していた…。
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「私は警察官であり、保健所の職員じゃありませんよ。
野良犬の殺処分は本職ではありませんが…。
今宵は2000年来の我が野望を達成するべき日、君には晩餐に捧げる狛肉になって貰おうではありませんか。
『戦いの旋律(バトルロック)』」

「歌」

それは私達天使族にとって最大の武器。
単純に敵を攻撃するだけでなく、味方の能力を上げたり、傷を治したり、迷える魂を成仏させたりもする。
その中の一種「戦いの旋律」は、悪魔との戦いを主な役割とする能天使(パワーズ)が好んで使う歌だ。
筋力や敏捷性を自らUPして、グラシャ=ラボラスさんを斬るつもりだ。
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(ふぅ~、流石は悪魔退治のパワーズの旦那は厄介だな。
しかも、アジア出身の天使に多い、剣と蹴り技のコンビネーション…。
ただでさえ翼のガードが面倒くせぇってのに…。」

グラシャ=ラボラスさんの「殺人の悪魔」って異名は、あくまで「人間相手」だと思ってた。
海竜リバイアサンが「最強生物」として10人の能天使を瞬殺出来るのはわかるけど、グラシャ=ラボラスさんが能代警視こと「不動明王」という悪魔退治のスペシャリストにここまで善戦するとは思わなかった。

「どうしました?君は『弱い犬ほどよく吠える』見本ですか?
その手刀で私を切り刻みたいのでは?
『聖なる羽根(ホーリーフェザー)』」

背中の翼を手裏剣の様に飛ばす能代天使ならではの隠し技。
距離を取ったグラシャ=ラボラスさんの隙をついたかと思った。
無数の羽根はグラシャ=ラボラスさんの両目から確実に光を奪ったかと思ったが…。
グラシャ=ラボラスさんは両手に小さな何かを握って羽根を防いだ。

「何千年も同じ戦い方を繰り返す天使は救いがねぇな。世界は進化し続けてるんだよ。
『オルハ社のカッターナイフ』
日本人の発明品にはいつも頭が下がる。
これがホーリーフェザーに苦しめられ続けた悪魔の答えさ…。
魔力を込めたカッターナイフは折れれば折れるほど、刃の一枚一枚が意思を持ってお前を襲う」続