あくまでメモなんだからね!
グラシャ=ラボラス
ソロモンNo.25の「殺人の悪魔」。
蝙蝠の翼を持つマルチーズの姿で召喚者の前に現れるが、ありとあらゆる殺人術を熟知した悪魔として恐れられる。
人間の姿に変身した時のその両手の手刀はどんな刃物よりも鋭く、19世紀に英国を震撼させた「切り裂きジャック」はグラシャ=ラボラスの仕業だったのでは?との噂もある。
その手刀の切れ味は「流血術の悪魔」との別名を持ち、わざと大量出血させて惨殺死体を晒す手法も、鋭利過ぎる切り口で一滴の血も流さず首と胴をサヨナラさせることも容易だという。
また「文学の悪魔カールクリラノース」としても有能であり、あらゆる書籍の内容を、契約者に触れるだけで直接頭の中に入力することも出来るという。
グラシャ=ラボラスの伝説が最も色濃く残っているのは中世「魔女狩り」の影響が大きい。
高圧な教会の支配は、一部の不信仰者の悪魔崇拝に拍車をかけた。
その中でも「殺人の悪魔」であるグラシャ=ラボラスはカルト的な熱狂者の支持を得た。
また、数学や天文学、航海術などは「聖書に書かれていないから」、とキリスト教圏において理系の知識は停滞し、イスラムに遅れを取る原因となった。
だからこそ「理系の知識は悪魔の知識」と見なされるようになったが、「文学の悪魔」カールクリラノースはキリスト教圏の不信心者の心を掴み(?)、悪魔崇拝の中でも特に熱狂的な「グラシャ=ラボラス信仰」が成立したという。
極めつけは中世の教会支配による女性に対する
「処女性」の押し付けである。
婚前交渉が厳禁とされた中世において、望まぬ妊娠は「淫魔に私は襲われた」と言い訳が普通に通った時代である。
既に非処女である女性が行為の時に出血しなかった言い訳に
「グラシャ=ラボラスに処女が無理矢理襲われても出血しない」
が通説となる
これが後世に「処女好きの悪魔グラシャ=ラボラス」をイメージ付ける結果となる。
****
バカ…。
文学の悪魔からの直筆の手紙なんて反則過ぎるよ…。
店で口で言わないなんて狡いよ…。
『その屑野郎がただの人間なら、俺と契約しなかったお前は正しい。
だが、そいつが俺達と同族なら、俺はアンドロマリウス、お前を守る。
契約してもしなくても、俺は俺の意志でお前を守る。
ならば契約したほうがいいだろう?
気持ちが伝わったなら、ここへかけてきてくれ。
カールクリラノース』