ガンダムにおける人類進化論及び宇宙空間を含む環境適応の試験的考察 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

哲学者の使命は大きく二つ。

啓蒙することが第一で、次に知識を知恵に変えることです。

以下の記事をお読みになり、「どうせアニメだから」で済まさない何かを感じて頂ければ幸いです。
寧ろガンダムを知らない人ほど読んでほしいです。

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「地球と地球の環境を思うならば、人類は宇宙に出た方が良い。」

上記の文を読んだだけで、否定的見解を持つ方は少ないと思います。

人類は宇宙に旅立つだけでなく、「永住」が可能になりました。
「コロニー」と呼ばれる居住型人工衛星の打ち上げに成功し、キャパシティを越えた地球の人口に対して希望が拓けました。

ここで終わればただのSFです。
それで終わらないのがガンダムの素晴らしさです。

「では誰が宇宙に出たか?」

です。
はい、英雄が旅立ったわけでもなく、叡知を持つ学者や、国家の代表クラスが率先して移住したのではないのです。
誰が移住したか?

「貧困層」

です。(↑これ大事)

裏を返せば、富裕層、支配者階級は地球に留まったのです。
そんな環境が破壊され続ける地球に居座り続ける富裕層をトップにして組織されたのが「地球連邦軍」です。

連邦軍の専横に対して異を唱えたのが「ジオン軍」です。ジオンはコロニーの一つを占拠し、「ジオン公国独立宣言」をします。
ここからアニメでお馴染みの、いわゆる「ロボット対戦」が始まります。
そこで緊急避難的にホワイトベースという戦艦に乗り込んだ、民間人で組織された軍隊の人間模様がストーリーの核です。
主人公のアムロ=レイもホワイトベースの一員です。
艦長のブライト=ノアさんは弱冠18才の青年将校で、ホワイトベース唯一の「プロ軍人」です。
そしてガンダムに乗り込むアムロに対して、ガンキャノンのパイロットであるカイ=シデンさんは興味深いセリフを言います。

「アムロには裏切られたねぇ、地球に家があったなんて。」

です。
「宇宙生まれの自分は雑種で、地球生まれのアムロは血統書付き」

そんな妬みが「戦争」をこじらせます。

これは作者の富野先生が語ってますが、地球生まれと宇宙生まれの格差は「ヨーロッパ人の新大陸アメリカに対する思い」と言ってます。

己の思慮の及ばない新たな土地で生まれ育った人類は、自分達を凌駕する特殊に進化した人間では?という疑心暗鬼が「新人類=ニュータイプ」論という思想を生み、古き物にしがみつく権力者に排他的感情が生まれました。続