「雨で濡れた服を、妙子ちゃんから借りて着替えるから」
と言って、私と妙子ちゃん二人で話をする。
「そう…悪魔か…それも魔王クラスを召喚だなんて…。」
「ほ、本当にごめんなさい燿子さん。
でも、驚かないんですか…?」
妙子ちゃんが深く後悔してる様子はわかった。
そして私と二人だけとなった瞬間泣き出した。
きっと賢司くんに見せたくなかったのだろう。
「妖精が居るんだから、悪魔も居るんだね。私もサミアちゃんにお願いしたことがあるわ。
妙子ちゃんが賢司くん以外の人とくっついたらいいって。
だから私は貴女を責めれないわ。」
「わ、私、レビアたんにお願いして契約を中止して貰います。
サミアちゃんと賢司くんが仲がいいのは悔しいけど、サミアちゃんを深く傷つけたり、住処の公園を取り壊すなんてやり過ぎです!」
「それがいいと思うわ。
…私も賢司くんのサミアちゃんへの入れ込みようが少し怖いけど…これからはフェアに賢司くんを賭けて勝負しよう!
契約を破棄したら、サミアちゃんも公園も元通りになるんでしょう?」
「燿子さん…。」
泣き付く妙子ちゃんを強く抱き締め問題解決…のはず…。
突然、一枚のタロットカードから光と音が放たれた!
「はじめまして栗原燿子さん。
ごめんね~妙子ちゃん♪
美しい友情物語に水を差したくないんだけど、魔王との契約って、そんな簡単じゃないんだ!」
現れたのは黒いパンキッシュな服装に所々、鱗のタトゥーをしたお姉さん。
これが魔王?
「レビアたん!もう止めさせて!私が悪いんです。」
「中途解約は全額支払いか、別途交渉って契約内容だったよね?」
「私の対価は『ベヒーモスさんの花嫁候補に登録する』でしたよね?何百人もいる候補の中から、私みたいな地味な小学生が選ばれませんよね?
でしたら『清算』しても構わないです。
お願い!レビアたん!サミアちゃんと公園を守って!」
「う~ん、あたしもそうしたいんだけどね~。
実はこっちも複雑な事情が…。
ベヒーモスが、妙子ちゃんを気に入っちゃってねぇ♪
11歳の処女があたしの召喚に成功した事に驚いてさ♪
普通なら中途解約は下級悪魔に下取りさせるんだけど、ベヒーモスがあんたを花嫁に選びそうな勢いなの?
どうしよう?困ったわね…。」
「下取りって…まさか妙子ちゃんの魂とか身体で奉仕とか…?この悪魔!」
「そんなことはさせないぞ!」
賢司くん、サミアちゃん!