サミアちゃんのご高説14 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

それはそれは仲の良い二人でした。
閉ざされた私の心の扉を開けてくれた賢司くんと燿子さん。
私に初めて出来た親友ですから大好きで当然です。

でも仲の良すぎる二人に私の入る余地などありませんでした。
それはまるで運命の女神に未来を保証され、愛のキューピッドをも味方につけているようでした。
だから私は漠然と思いました。
「幾ら神様にお願いしても、賢司くんは私のモノにならない。
だから神様以外にお願いしようと。」

そこで思いついたのが悪魔です。天使に祝されている(であろう)燿子さんに勝つにはこれしかなかったのです。
でも、親友の燿子さんを傷つけたり、それにより私が傷つくのも困ります。
ただ今以上にお話が出来たら良かったんです。
私は本や漫画やネットであらゆる悪魔を夏休み中調べてました。
そこで出会ったのです。
「ソロモンNo.25『文学の悪魔』カールクリラノース」くんに。
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「文学の悪魔って私に最適です。
文学の知識をもっと授けてくれたら、燿子さん以上に賢司くんと仲良くなれるはずです!」

悪魔召喚の儀式って、爬虫類の生け贄とか、長くて発音が難しい呪文が必要かと思いましたが、意外とネット通販で揃えられるものばかりでした。
「肉」とか「血」は缶詰とかで大丈夫かなぁ?
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「キャー!!
出た…ホントに悪魔さんですか?」

「その通り。
まさかこんなお嬢ちゃんが俺の召喚に成功するとは…。
さぁてと、ホシはどいつだ?お嬢ちゃんのお望みの方法でバラしてやるよ。」

「バラす?
いえ、秘密をバラすとかのイタズラの依頼じゃなくて、私は『文学の悪魔』としての力を借りたいのです。」

外見はパパより年上くらいの男性でした。
でも、私の答えがおかしかったのか…。

「フハハハー!いい!実にいいよ、お嬢ちゃん!ホントに君みたいな子が召喚に成功するとは!それに『文学の悪魔』!何と懐かしい響きであろうか!
まさか、俺の名を『カールクリラノース』としてか知らないのか?」

「はい!違うんですか?」

「なるほど、だから召喚に成功したわけか。
お嬢ちゃん、ホントに『文学の知識だけ』が必要なんだな?」

「はい…そうですが…?駄目ですか?」

「いや、いい!実にいい!
こいつぁ、サービスだ。
お嬢ちゃん、『後払い』で『契約』してやるよ」

「契約…ですか?まさか魂とか、女性としての私とか…?」

「文学は副業だ。対価はもっと安いさ。」