サミアちゃんのご高説13 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

理由は沢山あるし、原因も一つじゃない。
サミアちゃんは私の気持ちを見抜いていたし、妙子ちゃんにこれ以上の「幸福の魔法」をかければ、「日没後の不幸」に苦しんだのは私かもしれない。

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(今日の早朝)
「おはよう、サミアちゃん!」

「おはよう、燿子。
早いな、一人か?」

「う、うん。賢司くんはちょっとね…。」

サミアちゃんの魔法は日没まで。
6時限目まで授業あって、塾の送迎バスが到着するまでの間じゃ、サミアちゃんの魔法の恩恵に授かる時間が短すぎる。

「…時間が惜しいだけではないな。
ワシにはわかる。
賢司に知られたくないお願いか?」

「お願い、賢司くんには内緒にして!」

「ワシはサミアッドで一番口が堅いぞ。今日の願いは何だ?また美男子の家庭教師か?
それとも、『想い人』に見られてもいい上等な下着をご所望か?ハハハ。」

「やめてよ、サミアちゃん!
違うの!友達の妙子ちゃんのこと…。」

「話すがよい…。」

「サミアちゃん、私、怖いの。
妙子ちゃんは親友だから、もっとクラスメートと馴染んでほしいと思うの。
でも、妙子ちゃんの賢司くん見る目が頭から離れなくて…。
妙子ちゃんの方が物知りだし、私より成長が早いし…。
賢司くんは同じ塾で家が近いだけで…。
だから魔法であんなイタズラが出来るんだわ!
私のイライラが時々妙子ちゃんに…。」

じっと聞き入るサミアちゃん。
憐れむでもなく、蔑むでもなくただ口角を上げて聞いてくれた。
外見は同い年のイギリス女性のサミアちゃんがお姉ちゃんより大人に見えた。
きっとお母さんてこんな風に温かいのかな?
「わかった。
恋敵の交友関係が円滑になり、なおかつ賢司以外に恋をしたら…かのう?」

「そうよ、サミアちゃん!でも日没で戻らないように…。
『クラスの皆が妙子ちゃんの魅力に気づきますように』よ。」

「上出来だ。その少女に誰かを惚れさせたり、能力を伸ばしたりしても日没でジ・エンドじゃ。ゴッドブレスユー。」

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(放課後)
「あぁ、もう!カールクリノラース君たら!森崎くんとお話出来たのは最高です。でも、クラスの皆が放してくれないから、一緒に下校出来なかったです。やっぱりアウターゾーンが不味かったの?」

「お嬢ちゃん、『ソロモンNo.25. 文学の悪魔』に間違いはないさ。
だが、『干渉』が入ったのは確かだな。」

「『契約』分はしっかり働いてもらいますからね」