ヨシュアがカナンの都市エリコ、アイを陥落しても、カナンの地を全て支配したわけではなかった。
アンモン人に攻められ、ペリシテ人とはやったやられたの争いが続く。
そんな時代を支えたのがユダヤの民衆を率いたリーダー「士師」達だった。
ある日、子宝に恵まれないハンナは、巡礼地シロにやってきた。
ここには十戒を納めたヤハウェの箱がある。
ハンナは箱に向かって誓いをたてた。
「ヤハウェよ、あなたが私に息子を授けるなら、私はその子をあなたに捧げましょう。」
その後本当に男の子を産んだハンナ。
サムエルと名付けられたその子は、ハンナの誓い通り、祭司エリに預けられた。
「エリ様、私はヤハウェと約束したのです。
息子が生まれたら、その子をヤハウェに捧げると。
どうか息子をシロの神殿で養ってください。」
サムエルは賢く、信心深く、律義な青年に育った。
高齢から視力を失った祭司エリの目の代わりとなり、巡礼の町シロを守護する士師となった彼だが…。
「ペリシテ人が攻めてきたぞ!」
ユダヤ軍は応戦し、
ヨシュアの時代に習い、ヤハウェの箱を神輿で担ぎ士気の高揚を計った。
「サムエルよ、戦況はどうだ?」
「はい、エリさま。
私達が圧倒的に不利です。」
「私は光を失い、息子二人は戦場へ…。
ヤハウェは何を怒っておいでか…?」
「何を言います!
ヤハウェをしんじましょう!」
しかし、士師サムエルと祭司エリに訪れた報せは…。
「申し上げます。
ユダヤ軍は敗退しました。
ご子息のホフニ様とピハネス様は流れ矢にあたり…。
即死です!
そして…ヤハウェの箱も奪われました!」
続く
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はい、若きサムエルに立ちはだかる試練です。
まぁ戦場に持ってくからには、こうなる覚悟はあったのでしょうか?
なお、

インディ・ジョーンズの映画
「レイダース・失われたアーク」
は、このヤハウェの箱のことです。
作中ではアドルフ・ヒトラーが追い求めたことになってます。
(スピルバーグがユダヤ人ですが)
そしてヤハウェの箱には
十戒の石板二枚(何故二枚?)
杖(モーセの魔法の杖?)
マナ(正体不明の不思議な食べ物)
が入ってるらしいです。
※お気づきかと思いますが、三笠先生の漫画では「神」と書かれてる所を訳者の独断でヤハウェにしてます