(サムエル記上5章)
ペリシテ人はユダヤ人の宝・ヤハウェの箱を奪い取った。
タゴン神を信じる彼らにとって災厄の始まりだった。
箱を開けた瞬間、タゴン神の像は砕け散り、国中に疫病が蔓延する。
箱に触るのさえも恐ろしいので、スタミナのある雌牛にくくりつけ、お詫びの金までつけ、カナンの地へ解き放つ。
一方、ユダヤ人は士師サムエルのもとで、神の箱奪還作戦を練っていた。
「信仰心が薄いから、こんな目に遭うのだ!
ヤハウェのもとに団結し、奪われた箱を取り戻そう」
ペリシテ人によって敗戦し、傷ついた兵を必死に鼓舞するサムエル。
しかし、ある兵がサムエルに向かって言いました。
「でも、サムエルさん。
俺達がまとまらないのは、強いリーダーがいないからだよ。」
その言葉はもしかすると、ずっとサムエル自身が考えながらも避けてきた問題かもしれません。
負傷兵は続けて言います。
「サムエルさんが『王』になって、俺達を統率して下さい。」
と遂に進言したのでした。
しかし、サムエルは…。
「それは…。できない…。」
「どうしてですか?
ほかの国には王様がいるじゃないか!」
「私達だって欲しい!」
「みなよ…。
気持ちはわかる…。
しかし、あのヤハウェが許してくれるだろうか?」
続く
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はい、今回は遂に決定的な証拠となる記述があります。
「タゴン神」と「タゴン神を信仰するペリシテ人」です。
ヤハウェが天地創造し、アダムとイヴを自らの似姿としてお造りになったなら、ヤハウェはタゴン神さえも創造したことになってしまいます!
これは私の解釈ではヤハウェが唯一神や絶対神ではなく、多神教の中の一つの神だったことの証と思います。
新訳の時代になると、異教の神は悪魔にされてますね。
同じ悪魔でも、
異教の神を魔王(サタン)
異教の伝道師、司祭を妖魔(デーモン)
一般信者を悪魔(デビル)
と解釈するそうです。
しかし、この考えは地域や時代で様々で、異教の神を認めると「父なる主」が唯一神、絶対神でなくなる為に、非常に解釈に苦労したそうです。(それは聖職者の自己保身ですが)
ですからデーモンを『精霊』と解釈する場合もあり、神に味方すれば天使、背けば『妖魔』、自然界で浸透すれば『妖精』となります。
「サタン」の解釈も様々で堕天使ルシファーが右腕を切り落とされアビス(奈落)に落ち悪魔王になったてのが一般ですね。