たなく!24~旧約聖書を我流に訳す | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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(サムエル記上9章)

民衆のリクエストで「王」を探すことになった宗教指導者サムエル。しかし、彼自身はこの企画に乗り気ではない。

ヤハウェはサムエルに語りかけました。

「『王』を持つことを許そう。
しかし、その人物は私が選ぶ」

ヤハウェの言葉を承知したサムエル。
晴れない気持ちのまま彼に出会った。

彼は高身長、容姿端麗、統率力も備えた青年サウルだった。
「ねぇ、あんたウチのロバ見なかった?」

ベンヤミン族の裕福な農家の息子サウルは脱走したロバを探してたサウル。

サムエルは彼の言葉遣いや態度に好印象を持たなかったが…。
ヤハウェはサムエルに語りかけた。

「サムエルよ、この青年こそユダヤの王にふさわしい」

「は…?」

「あんだよ、知らないならいーや。
ありがとね。」

去ろうとするサウルに声をかけるサムエル。

「待て、青年。
王様になってみないか?」

ここにユダヤ最初の王様サウルが誕生した。
民衆は驚喜するがサウル本人は突然の身分の変化に戸惑う。
サムエルはサポートしながら

「サウル『王』よ、自覚を持つのだ。
私はしばらく出張に出る。
お前は民の前で毅然とさえしていればいい。」

「わかったよ、サムエル。行ってらっしゃい。」

「よいな、何が起こっても、一人で動くんじゃないぞ。」

数日後、ペリシテ人が来襲してきた。

軍の上官が尋ねる。

「サウル王、いかがなさいましょう?」

「いかがって、サムエルはまだ帰ってきてないし…。」

大臣や上官に不安が募る中、サウル王は一人で決断した。

「よし、私が指揮を採る。出撃だ!」

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はい、サウルくんにとって本当に幸福か不幸か?
常にヤハウェは人間の心を試します。
そしてヤハウェの勝手な干渉はつねに人間の限界を突き付けられます。

ヤハウェが声をいただくだけで奇蹟なら、未来永劫苦しまない奇蹟を起こしてほしいと思うのですが…。

また旧約聖書にはサウルはくじ引きで選ばれたとの説もあります。
やはり前述のようにくじ引きに対して神的な意味を強く感じるのでしょうか?

ヤハウェの声を超自然と仮定するなら、王を擁立することは「人の物を欲しがる」=「税で生活する」ことが十戒違反にならないか?と苦悩したサムエルが「ヤハウェ」に許しを求めたのではないか?ユダヤ教としての戒律よりも民衆の総意が勝ったことを読み取るのが大事かと思います。