テッペキ!ジャーニー 19 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「どうして、左右を変えるだけで一気にチャンスが…?」

鮮やかなカウンターが決まったことに驚きを隠せない私は真田先輩に尋ねた。

「利き足の違いだよ。」

「利き足?」

「通常、選手はドリブルすると利き足の方に身体とボールが流れる傾向がある。
だから相良みたいな左利きの左サイドの選手はライン際に強く、縦に突破力がある。
でも、走力もボディバランスもない小菅は、単独で右サイドを突破する力がない。
だから右利きの小菅を左サイドに配置することを提案したんだ。」

「するとどうなるんですか?」

「見ての通りさ。
左サイドだと身体の軸が中央に向くから、右やトップ下よりもパスのスペースがワイドに展開される。
ジダン、リベリー、中田英寿。右利きで左サイドを好んだ選手の理由はそれさ。」

「じゃあ、なんでもっと早く?」

「相良が右サイドに適応しないと意味ないからな。
この1ヶ月、あいつには徹底的に不得意な右足を鍛えさせた。」

「そんな…優矢くんたら私の知らないところで…。」


小菅くんからのパスを受け、いつもと逆の右サイドを駆け上がる優矢くん。
センターバックのロロさんが前線に上がってる今がチャンスだわ。

「右サイドなんて小学校以来だけど、センタリングでも、スルーパスでも選択肢があるのは最高だな。
いくらあの巨人姉ちゃんが居なくても、高さ勝負は不利だ。

武田主将!」

優矢くんからの低くて早いラストパス!
武田主将が追いついて華麗なシュートのはずが…。

「何で出遅れてるんですか!
チャンスなのに。」

もう一人のセンターバックと同時にボールに追いつき、もつれ合いになりシュートまでいけないけど…。

「ピッ!」

やった!足をがかかってエリア内で倒されたからPKだわ。

「良くやったぜ!武田ー!」

「いいぞー!」


最大のチャンスだわ。
でも誰がPKを蹴るのかな?
やっぱり武田主将?
小菅くん?優矢くんは無いかな?

「ようし、ここはチャンスだ。
高坂ちゃん、頼んだぜ!」

「私か?武田、お前が貰ったチャンスにいいのか…?」

「あぁ、しっかりリベンジしてやんな!
これが決まったら、高坂ちゃんも楽に攻撃参加出来るだろ?」

(武田の奴、わざと敵に追い付かせてPK を…。
しかも、私がフレイアの為に攻撃参加出来ないのではなく、私の恐怖心を見抜いてたのか…?
お前がキャプテンなのも、中島が惚れるのも納得だ…。)