南部彩の夢の記憶~テッペキ!かるてっと 19 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

(なんぶあや3さいです。
そーまさまを、いのちをかけておまもりします。)


(そーま様をいじめるな!
私がお守りします!)
(彩ちゃん、上級生相手に無茶だ!)
(ごめんなさい、そーま様。私がもっと強かったら…。)
(彩ちゃんのせいじゃないよ、僕が弱いから…。)


(彩くん、今度の日曜良かったら僕と…。)
(申し訳ございません。その日は稽古が…。)

(彩くん、県大会優勝おめでとう!)
(いえ、この程度は自分として当然であります。
申し訳ございません、剣道だけでなく、弓道の稽古もありますので失礼します。)


(蒼磨さま…?そちらの女性は…?)
(あぁ、父上が決めた私の婚約者となる奥村佳代さんだ。
僕が高校を卒業したら同じ東京の大学に通う予定だ…。)
(婚約者…?)


(彩くん、君は良くやってくれた。
私は今年から北条学園に通う為に一人暮らしを始める。
今までありがとう。)


(蒼磨様、お願いします。
どうか自分をお傍に置いて下さい。
お料理も掃除も洗濯も、自分はもっと頑張りますから…。
将来、蒼磨様が奥村のお嬢様と一緒になられても構いません!
ですからどうか自分をお傍に…。)


『南部彩、本当にそれがお前の本心か?
本当に今のままでいいのか?
奥村のお嬢様に愛しの蒼磨様を易々と譲るつもりか?そんな覚悟で中学三年の時に蒼磨様のアパートに押し掛けたのか?』

(違う、私は私は…。
あんな女なんかに…!渡しはしない!!)


「うわぁ~!」

白い壁。白い部屋。
保健室のベッドに横たわる私は夢を見ていたようだ。

「南部先輩!良かった!気がつかれたんですね。
全く、三好先生て手加減なしに南部先輩を気絶させるから…。
あの、その…。ごめんなさい、南部先輩…。」

宇都宮さんは退場となり、保健室で私の面倒を看てくれていたようだ。

「自分は大丈夫だ。だが二度とするな…!相手以上に君の心に傷を作るからな。」

「ごめんなさい…。」


「ガラッ!」


「南部先輩!大丈夫ですか?」

狭い保健室に部員達が押し寄せてきた。

「試合が終わったようですね…。」

「最後は凄かったんですよー!
小菅くんのパスに飛び出した片倉先輩がシュートして、榎田先輩が防いだ所を高坂先輩が押し込んだんでドローです!」

「…まぁ、悪くない…。」

「あら、瑞穂ったら。ゴールを決めた瞬間、片倉くんに抱きついたは誰?」

「最上、言うな!」