カイレフォンの友人第二章 26 宿命への反逆編 6 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「ロディテを裁判所に出頭させ、なおかつ国民の巫女への信頼を失墜させない方法が本当に…。」

「司令官殿、それだけではない!
この作戦が実現すれば諸外国への牽制にもなる。」

「亡き巫女長様が貴方を高く買っていたわけだ。
その知恵での私達の弁護にも期待していますよ。」

「誰のせいでもないさ、皆が国と家族を思ってのことだ。」
「カイレフォン殿のいう通りだ。
西方諸国ではこんな時にこう言うらしいな。
『一人は皆の為に、皆は一人の為に』と」

「それではイカロス司令官、ロディテ様。
私たちはこれにて失礼します。
明日の闘技場を楽しみにして下さいませ。
但し、貴方達は来ない方がよい。」


司令官の屋敷の門前

「ディオンは助かったらしいな?
良くやったぞ、ソレントよ。」

「私は…応急処置が終わったディオンさんを馬車で運んだだけです…。
結局何も出来なかった…。」

「…私は馬車を操れないわ…。
私だけじゃディオンは助からなかった…。」

「アルラウネお嬢様…。」

「ソレントよ、私からの質問だ。
自分の奴隷解放と、国の為に戦うこととどちらが尊い?」

「そ、それは国に尽くすことは当然です!」

「では、お前がアルラウネの為に国を敵に回すのは正義か?それとも悪か?」

「それは…。」

「お前のアルラウネへの想いはその程度 か?」

「ち、違います…。しかし、お義父様…。」

「ハッハッハ、ソレントよ!
私にも正解はわからぬ!
しかし、イカロス司令官とロディテ様は、世界を敵に回しても二人の愛を貫こうとしたのだ。
それだけに…力になりたい…。

ソレントよ、これからお前にはアルラウネの為に戦ってもらうことになるぞ?」

「はい、お嬢様の為にならどんなことでも…。」



「今日は闘技場が無料開放だってよ!」

「誰と誰の試合だよ?」

「レスリングじゃないよ、劇場が直らないから俺達市民への重大な発表を闘技場を使ってやるんだってよ!」

「イカロス元老院議員がか?」

「違うよ、最近ダイダロスで有名な永遠巫女の噂高い少女が、国の重要事項を発表するんだってよ!」

「元老院達もレスラーも協力してるらしいぜ。」

「じゃあ永遠巫女様の噂は本当か?」



「…皆の者、まずは来てくれたことに礼を言おう…。
そして最初に言っておく。
…私は自分が永遠巫女かどうかわからない…。」

「奇跡だ!遠くにいる巫女様の声が近くで聞こえる!」