カイレフォンの友人第二章 27 宿命への反逆編 7 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「…私にはこの世の果てなんぞ知る由もない…。

だが私が言える確かなことが三つある!

ここに集いし、ルテミス共和国の同士よ!心して聞くが良い!」


「おぉ、永遠巫女様…。何と神々しい…。
闘技場に入りきれない私達にも声を届けるとは、何と素晴らしきゼウスの御加護…。」

(は~い、察しのいい皆様は気づいてると思いますが、これは白森産の『木霊』(こだま)を利用してま~す。
私、ウルちゃんだけでは大変なので白森の妖精とダイダロスの町の妖精が総動員で闘技場の内外と市場、広場にも設置して町行く人に声を届けてま~す。)


「…まずひとつ!
巫女長様は亡くなられたと皆に告げる。」

「やはり噂は本当だったのか…。
高齢の上に病に臥してましたからなぁ…。
では、次期巫女長様は、この永遠巫女の少女なのだろうか?」

「いやロディテ様かもしれぬ。
確かに先代ほどの能力は無くとも、デルフォイで修行を積んだのは確かだ…。」

「永遠巫女様は噂では黒森の出身だそうだ…。
そもそもデルフォイの神殿は黒森の魔女の魔力に対抗すべく組織された集団だ。
巫女長になれるわけがない…。」


「…そして二つ目だ…。デルフォイの神殿は巫女長様の死を持って終わりとする…!
…これは私やロディテ、イカロスとは何の関係もない…。
亡くなられた巫女長様のご遺志だ…。」

「デルフォイの神殿が閉鎖されたら、ワシ達はどうやってお伺いを立てるんだ?
有事の際の神託は?
元老院のやりたい放題か?」

「イヤ、だからこそ永遠巫女様がきっとワシらに悠久のお告げをしてくれるはずだ、そうに違いない!」

「そうだ!こんな奇跡を起こせる永遠巫女様が、ずっと我が国に居れば安心だ!
デルフォイの神殿が無くても大丈夫さ!」


「…そして最後に…。
我がルテミス共和国はロイセンに勝利しようとも、西の教皇、南のラオ、東のパルタカと地震の被害に苦しむ我が国を虎視眈々と狙っている!

そこで私は重大な決断をした。

…私は南のラオ王国のサンドロス王子と婚姻の儀を交わし、数日後にラオ王国に輿入れする…!」


「そんな!あんまりだ!
せっかく我が国に永遠の太陽が現れたと思ったのに!
俺達を見捨てるないで下さい。」

「バカ野郎、永遠巫女様が俺達を見捨てるわけがない!
ラオのホルス王が圧力かけたんだよ!」

「…皆の者…わかってくれ…。
全てはこの国の永遠の未来の為だ…。
私は嫁入りする」