カイレフォンの友人第二章 23 宿命への反逆編 3 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「知らない、私は何も知らない!ただ屋敷へ案内する様に言われただけだ!
それに私は私兵団長を務めているからかわかるが、これほどの弓の腕前の持ち主など屋敷に残っていない!本当だ!」

「では、イカロス自身が俺を狙ったのか?」

「我が従者プルートよ、それはない。イカロス司令官は隻腕故に剣は握れても、弓は引けぬ。」

「じゃあ、プルートが言ってた、黒覆面の連中か?」

「カイレフォンよ、奴らはプルート達と司令官を衝突させたいのに、プルートを狙っては意味がない!」

「じゃあ、本当に誰が…。」

「我が従者プルートにカイレフォンよ、わかったぞ!イカロス司令官の為に弓を射る人間が誰かを…。
あの人なら…。
だが、今は射られたディオンとやらの手当が先だ!

ソレント!起きろ!傷ついた彼の手当はお前の役目だ!」

「お、お義父様、私は…。」

「この大馬鹿者が!お前が彼の様になってたかもしれんのだぞ!
話は後だ!今は彼の止血を手伝え!」

「は、はい!
ディオンさん…。こんなに血が…。
これが戦争…。これが現実…。」

「この野郎!
ディオンの仇だ!」

「やめんか、治安兵や私兵団に手を出す奴は俺が相手だ!
プルート、仲間をなだめろ!」


(…ウル、ディオンを助けたい…。
劇場で脅されたこともあるけど、穴に落ちたソレントを助けてくれた好い人よ…。)

(わかってる、今ミルからシャハルの鏡を使ってピクシーの薬草を転送してもらってるから!
鏡の大きさまでなら物質を移動できるから!)

(…お願い…。)


(成る程、我らの仕事の時が来たようだな)

(デービット!ティアティア、何でここに?)

(デュラハンとバンシーが『死に行く者』を迎えに来る以外に何の理由がある?)

(お願い、この男を連れてかないでよ!)

(全ては『あのお方』の思し召し…。バンシーは泣きながら彼の名前を告げ、デュラハンの我は桶の血を彼に浴びせるだけ…。)

(デービット…駄目だよ…。ボクはこの人の名を呼べない…。『あのお方』は彼を傍にお呼びにならなかったみたい…。)

(ならば我は彼を助けねばならぬな…。
ティアティア、ブラウニーのジェイミーを呼べ。医者の家を棲家としてる故に腕は確かだ。)

(デービットありがとう恩に着るよ!)
「ディオン、私には貴方が助かる未来が視えるから頑張って!」


「カイレフォンにプルート、屋敷に向かうぞ!司令官達と話合いだ。」