「ソレントは無事に保護した!
だから後は俺に任せて帰れ!
売れない劇作家よ。」
「カイレフォンよ、争い火種を嗅ぎ分ける嗅覚は犬以上だな!」
「…ソレントの馬鹿…。カイレフォンが殴ってなかったら私が殴ってた…。
でも本当に良かった…。」
「アルラウネちゃん、愛しの騎士の頭にコブを作ったことを許しておくれ。
さぁ、ここからは大人の時間だ。
子供は下がってな。」
「…カイレフォン…。」
「アルラウネよ、ソレントを頼む。
目を覚ましたら、『ヘラクレス』は延期だと伝えてくれ。」
「…お義父さん…。」
「さぁ、レスラー達に私兵団に治安兵よ!
目的も信念も無く、ただ暴れたいだけの馬鹿野郎はこの俺様、歴戦の重歩兵カイレフォンが相手だ
志を持ってここに集う若者は我が友にして、『名誉軍規律顧問』の話を聞いてもらおうか?」
「何人も私の断りなく剣を交えることも、剣を交えた相手に勝手な裁きを下すことも許さん!
それは例えイカロス司令官でも同じことだ!
さぁ、屋敷に居る司令官に連絡を取れ。
私が真実の証人となろうぞ!」
「我が主よ!何故に私の邪魔をする?」
「プルートよ、例えイカロス司令官に非があろうとも、お前が非のある行動で訴えてはならない!
それにロディテ様の死の瞬間を目の当たりにしたわけではなかろう?」
「確かに黒覆面の集団から聞かされただけだが、奴らはロディテ様の小冠も、イカロスの足刀(靴に仕込んだ刃)の欠片を見せた!
どちらも血塗られていて、証拠なんてそれで十分だ!」
「閣下が客間にて話会いに応じると申されました。
但し、軍規規律官様が同席することと、代表一人のみが条件です。」
「イカロスめ!用心深い奴だな。
勿論、私が行く。
皆の者、決して治安兵に手を出すな!
私の帰りが遅ければ、然るべき行動に移れ!」
『教官!』
「交渉にはカイレフォンも同席してもらう!」
「俺もか?
頭を使う話は苦手なんだな~。」
「では代表は前に…。」
「…駄目ー!
狙われてるわ、プルート!狙撃兵の矢が来る!!
直ぐに逃げてー!!」
「ビュン!!」
「プルート教官、危ない!」
「ディオーン!」
「ディオンさん!」
「グフッ!、プルート教官、お怪我はありません…か?」
「バカめ、私なんかの盾になりおって…。」
「愛するプルート教官の為なら…これしき…。」
「司令官よ、これがお前のやり方かー!!?」