カイレフォンの友人二章 1 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

第二の町プロメテウス

「じゃぁな、我が友にアルラウネちゃん。
俺達はここで。
絶対遊びに来いよ!」

「うん、カイレフォン必ず行く…。
本当にありがとう…。」

「カイレフォンよ、戦場での再会が無くなる、その日を願って、さらばだ!」

「さらばだ!」


首都ダイダロス

「アルラウネよ、あれが首都ダイダロスの三大名物、自由市場とオーケストラ(無料劇場)と闘技場(コロッセオ)だ。」

「…人がいっぱい…。私の村より遥かに大きい…。」

「明日ゆっくりソレントに案内させる故に今日はまっすぐわが家に向かおう」

「うん…ソレントってお兄ちゃんの二人の息子さんのどちら?」

「いや、長男は我が領地の監督を、次男は馬の調教師になるべく弟子入りし、わが家にはおらぬ。
ソレントは…使用人だ。」

「…領地に使用人…。
お兄ちゃん裕福なのにわざわざ戦争に行くのかわからない…。」


自宅

「テーゼ、今帰ったぞ!
ソレント、我が甲冑を頼む。
おい、ソレント!」

「貴方、お帰りなさいませ。
ご無事で何より…。
申し訳ございません。
ソレントは息子の手伝いに行かせて明日には戻ります。」

「そうか、これほどの地震だ。
人手はいくらでも必要だから当然だな。それよりもテーゼ、この子を。」

「まぁ、綺麗な黒髪のお嬢ちゃん。
いらっしゃい。」

「…アルラウネです…。
この子は猫のシュヴァーシュ…。」

「先の戦争で父が行方不明になり、母も病死している故に我が家の養女とする。
ソレントには私の娘同様に扱うよう伝えてくれ。」

「まぁ、アルラウネちゃんお父さんが…。
早く見つかるといいわねぇ。」

「…いい、会えないの知ってる…。」

「まぁ…。」

「ハハハ、テーゼよ、驚くのは無理もない。
アルラウネは黒森の魔女の血を受け継ぐ者だからな。」

「あら、あんなおとぎ話を信じてるの私のお婆ちゃんだけかと思ってましたわ。」

「…魔女でも魔法使いじゃない…。
予言が出来るだけ…。」

「まぁ、便利ね。
息子二人の縁談を予言してもらおうかしら?」


「コンコン!」

「お義父様、遅くなり申し訳ございません。
ソレントただいま戻りました!」

「ソレント、こんな夜更けに…。
明日でも良かったのだぞ。」

「いえ、お義父様、少しでもお役に…。
こちらの女性は?」

「我が家の養女となるアルラウネだ。」

「うそ…。私とあまり年変わらない…。」