紳士未満 武田輝の事情
「浅尾先生…。絶対この学校の先生になって戻ってきて下さい!
私待ってます。女子更衣室で…キャハ!」
「本願寺陽子さん、ありがとうございます。
授業より貴女の服装を正すことが一番骨が折れましたよ。」
「だって先生の為じゃないですか~。」
「私ではなく、校則の為に…ですよ。」
「ハ~イ。輝くん、そういうわけで私の心は浅尾先生のモノだから頑張って他の彼女見つけてね~。」
って、最初は陽子ちゃんの気まぐれを恨んだけど、おかげで俺はサッカーに打ち込んで主将になれて恵という彼女が出来て…。
浅尾のおかげなのかなぁ。
全く、女はどうしてあんな退屈な男がいいのかわからん。
「恵、お前は去年浅尾が気になったか?」
「え~憶えてないよ~。今はダーリンのことしか考えられないし♪」
紳士未満 真田正行の場合
「真田くん、君には君の勝ち方があるはずです。」
不良の榎田と取り巻きのグループに手を焼いてた俺に言ってくれた言葉。
「えっ?まー君がただの殴りあいのケンカしなくなったのも、控えキーパーの立場を受け入れられたのも浅尾先生のおかげ?」
「三好先生とは少し違う、スーパースターじゃないけど、強い自分を持っている大人…。
もしかして俺が負けたと思う唯一の男かもしれない。
あの人みたいな大人になりたくて…。
だから生徒会長の仕事も…。」
「私、今のまー君が好きよ。」
紳士未満 榎田徹の場合
「榎田くん、あのね、私と貴方はね…。」
なんて曖昧に今でも誤魔化してたかもね…。浅尾くんが居なかったら…。
「下らない。好きだ嫌いだのと、個人の感情に任せて…。」
「浅尾くんに私の何が分かるの?
本当に榎田くんを嫌いだったらこんなに悩まないわ…。
でも私の責任であの子の将来が…。」
「では、三好先生に私の歯痒い気持ちの何が分かるのですか?
…早く私を諦めさせて下さい。」
「浅尾くん…。」
実習が終わった後の夏休みにまで、徹のことで相談に乗ってくれたのはやっぱり…。
好きな「紳士未満」の男の子を良い紳士に仕上げる。
それが良い女ってものよ♪
最初から良い男の浅尾くんは…苦労するかもね♪
~憧れていた大人になりたくて~完。
今回の作品は秋月伶先生の「見えない満天の星の下」
の浅尾昂介さんをお借りしました。
ありがとうございました。
一年生の時のテッペキ!ボーイズの陰の師匠ってことです。