それぞれの神4(完結)~ライプニッツの場合 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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ドイツのライプニッツ
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(1646年~1716年)
はデカルトの心身二元論、スピノザの一元論に対して、独自の「多元論」を唱えました。

「モナド」

ライプニッツは
「自然はモナドという無数の独立した個体からなり、その頂点に神が位置している。全てのモナドは神によって調和するように配置されている」
と唱えました。

そしてモナド同士は互いに干渉せずに独立した動きをするが、全体としては神を頂点として調和が取れている。
と言う考えです。
この「互いに干渉せずとも全体の調和が取れている」と言うライプニッツの考えは
「予定調和」と呼ばれるものです。

予定調和とは?

ある所に二つの時計があります。その時計同士は常に同じ時刻を示してます。
何故か?三種の可能性があります。
仮に二つの時計をA、Bとすると

1 AはBに、BはAに影響して相互に時刻を決定してるから。
二つの時計の真ん中の時刻に互いが修正される。Aが一時、Bが五時なら両方が三時に修正されると言う考えです。

2 常に片方の時刻に修正される場合
Aが三時でBが一時ならBは常にAを見て三時に修正する

3 A、Bはお互いに関係なく、最初から三時を示している。

ライプニッツの「予定調和」は正にこの3です。
他方の影響受けることなく、最初から共通の答えに導かれることが予定調和の原理なのです。

会社は会社として、学校は学校として、国家は国家として、外からの影響を考えずにひとつの小宇宙を形成してると言う考えです。

家庭と言うモナドは、他人の家庭を考えながら行動していない。
と言うことです。
この「団体としての人格」を認めたライプニッツの考えが、カント、ヘーゲルに継承し、やがて
「国家は国民の統合よりも優位である」としたナチスに継承されました。


これで4回に渡った近代大陸合理主義者が描いた神と世界の成り立ちの説明は終わりです。
難解な文章にお付き合い下さりありがとうございました。
もっと上手く説明出来たらと思うばかりでした。
最後に私の大好きなキルケゴールの神様に対する言葉を。

「神に誓うとは最も身近で安価な保証人を連れてくることだ」

私はこの言葉思い出すといつも笑ってしまいます。

明日からは…未定です。