キルケゴールの内面事情 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

彼の哲学を語る上で重要な事は3つ。

1 厳格なキリスト教信者である父に育てられた。

2 婚約者レギーネに対して一方的に別れを告げる。
何故、婚約破棄したのかは長年のキルケゴール研究者の間でも謎とされている。
3 ヘーゲル哲学を批判したことで有名。
小さな解説とかでは、キルケゴールの事を「ヘーゲルを批判した人」くらいしか書いてない。


著作のスタイルはとにかく皮肉が利いてて、陰鬱(笑)。
読み手が自分の中に「こだわり」があるとネガティブな気持ちになっていく。
しかし、「こんな小さなこと気にしない」って態度で世の中に絶望すると途端にキルケゴールの著作が笑えてきます。
本質はすっごいポジティブな人だと思う。

なんせ1ですが、
実の父から
「お前は私の罪を背負って生まれた為に34まで生きられない」なんて幼い内に告げられたら陰鬱にもなりますって。

彼だけではありません。
七人兄弟の末っ子で生まれたのですが、長男と彼を除いた兄弟みんな34までに亡くなってるのです!
「次は自分の番か?」ってなるのが普通かも。そんな逆境にも負けずに多くの作品を残したのだから凄い人。


でも父が本当に問題。
敬虔なクリスチャンってのが泣けてくる(笑)。

父は貧しい境遇を恨み、神を呪いました。
しかし、その後デンマークの首都コペンハーゲンで商売が成功して裕福になります。
これを「ラッキー」と捉えられないのが敬虔なクリスチャンの悲しさ。
父は「この成功は、まやかしで本当は神を呪った『罰』のはずだ。私の『罪』は私の子供が『キリストが磔になった34歳までに』亡くなることで償いとなるだろう。」
って勝手に思い込むから大問題!
それを幼い我が子にそのまま伝えるなんて「なにしてくれてるの?」
ですよね(笑)

さてしかし、そんなキルケゴールも(ファーストネームはセーレン)43歳で亡くなります。

デンマーク協会に対しての改革運動中に突然倒れて搬送先で帰らぬ人となります。
脳炎だったそうです。
彼も熱心なキリスト教信者だった為に、形にこだわる協会が許せなかったみたいです。
そして私の推測では彼は若い内に既に脳炎を患ってたのでは?
それが彼女を悲しませたくないために婚約破棄したのでは?と考えます。

明日は残り3のヘーゲルを批判したキルケゴールの切り口を語りたいです。