
ソクラテスの唱えた「無知の知」は哲学の基本です。
神の啓示(けいじ)により、「ソクラテスより賢い者はいない」と聞かされた彼は、
「否、自分より賢い者は必ずいる。その者と対話して、私よりも優れていることが証明できれば、これほど大きく、そして重い神託(しんたく)を私の様な凡人が背負うこともない」
と神に対する反証(はんしょう)の旅が始まりました。
それは対話による自分以上の賢者捜しの旅でした。
しかしソクラテスの挑戦は失望の対話遍歴(たいわへんれき)となります。
劇作家、政治家、工芸職人。
賢者との噂を聞けばソクラテスは赴きました。
しかし彼等は如何にも自分達は世界の全てに通じているように振る舞いながら、実の所本当に何も知らないのでした。
そして「私は何も知らないと言う自分自身を自覚して知っている。その分だけ彼等より私の方が賢者だ。」
と考えるようになりました。
そしてソクラテスの結論は
「最大の賢者は自分の知恵に何の価値もないものと悟った者である。
真の賢明は独り神のみ」
と悟るのでした
皆様、成長の敵は「知ったかぶり」かもしれませんね。
でも自信と自覚、満足感もとても大切ですよ