ぐへえ……たったいま、高校生活最後のテストが終わった。


 ぐへえ……眠い。すんげえ眠い。最後まで一夜着けだった。


 ぐへえ……つっかれた。




 やあやあ。いま昼の12時?夜の12時? 区別が付かないほど眠たい、お兄ちゃんの参上だ。


 いやあ、本当に眠いなあ。もう瞼と瞼がくっついて離れないくらい眠いよ。その間にぶたれても気付かないくらい眠いよ。瞼を、まあ!ぶったわね!、つってね☆


 さて、くだらない洒落で目を覚まさなきゃならないくらい眠たいというのに、お兄ちゃんには、もう次のイベントが追ってきてるみたいだ。


 テストが終わったら、今度は成績。すべての評定を足して-5以上の結果が出ると、卒業できなくなるという何とも死立の男子高らしい試練が待ち受けていた。


 ちなみに! 一学期の時点での、俺の評定はだな——



 デクデクデクデクデクデク…(ドラムロール)



 ——ジャジャーン♪ 聞いて驚け、-8だっ!


 はい、拍手~! 8だけに、パチパチパチパチ~!


 パチパチパチ~!


 パチパチ~!


 ……。


 って、うれしくないよ!! 


 …とは言ったものの、これ、今までの中じゃよっぽどマシなほうなんだよなあ。


 …去年が-10。一年のときなんか-14だったからなあ。


 入学時は、この学校で一番頭のいいクラスに居たというのにこの体たらく。いやさ低堕落。


 あ、言い忘れていたけどこれでもおれ、この学校には選抜特進クラスとして入学してきたんだぞう。特進から、さらに難関試験を通って選抜されてきた優劣な人材だったのだ。


 ほれほれっ! 皆の衆、図が高いぞう! 焼きそばパンまだか! どやー!


 まあ、二年から特進どころか一般クラスに選抜されちゃったんだけどね。カレーパンしかなかったっス。


 一般クラスのなかでもトップだったけどね。もちろん下から数えてねどや。


 テストなんか特にそうだ……この三年間ずーっと、一夜着けだった。


 頑張っても60点そこそこ、頑張らなければその6分の1の数(算数で言ういちのくらいの数、数学で言う一桁、一般で言うバカ)が点数になるギリギリの一晩は中々にスリリングだったぞう。


 まあ、たいてい寝ちゃってたんだけどね……だからこそこの成績なんけどね……。


 ……。


 まあ、なんであれ! テストの点数がよければそれは成績に反映されるはずだ! 今回いっぱい勉強したから大丈夫だよなあ、俺?


俺B『大丈夫よ俺っ♪ 今回はちゃんと勉強したもの! たまに漫画読んじゃったけど、それは休憩の範囲よ!』


俺C『安心して俺っ♪ 今回はほぼ寝てないもの! 1日だけ8時間寝ちゃったけど、そのくらい神様は見過ごしてくれるわ!』


 ……。


 神様は見過ごしても、先公様は見過ごしてくれなさそうなのでいまのうちに成績を上げるため課題をやくとしようあせる


 第1回、マイミクの日記を勝手に晒そうキャンペーン! どんどん☆パフパフ~♪


 さて、記念すべき第1回のゲストは、



 『共学の驚愕な性春を行ける、彼氏持ちの17歳(♀)』だ~っ!!



 はい、拍手~! どんどん☆パフパフ~♪ どんどん☆パフパフ~♪


 それじゃあ、さっそく彼女の日記を公開しちゃおう。一年間付き合った恭平(彼氏)に切り出す別れ話。それは、涙なしじゃ語れない話。


 皆さん——ハンカチのご用意を。














タイトル:別れます


『わたくし、恭平くんと別れます、はい

あ、まだ別れてないっすよ?
今度の日曜、カイジ見た後に切り出すつもりです

飽きたとゆーか、マンネリ、やね

まぁ、わっちが1年続く時点でそもそもおかしいしw

恋愛感情もなくなったし、
共通の趣味、話題もないし、
正直話す内容も特にない←

何より重い、重たい
わっちが冷めるにつれて
恭平は重くなっていきます

あれさ、反比例ってやつ?w
比較的重い人が好きやと思いよったけど、
放任主義な人のが好きなことが判明しましたw

てか、わっちの方が好きかもしれん
って不安になるような人を好きになるべきですね

あー、でもこれでスッキリ!!!←

まぁ、とりまご報告!
ちなみ、この日記は恭平には非公開になっちょります

わっちが心配なのは、
別れた後に恭平が自殺しないかどうかです、
ガチでちょっと心配』












 男女間の恋愛において対した経験のない俺には、よくわからんのだが、


 ……え、なに、こんなもんなの?


 是非、ご意見を頂だい←
lr2001さんのブログ-111103_0130~01.jpg



 バイト帰り。いつもの駐車場で、いつもの猫に絡まれていると——


「どうしたあ?」


 ——見知らぬおじさんにも絡まれた。


 50代くらいの作業着を着たおじさん。コンビニ弁当の入ったビニール袋を地べたに置き、俺たち(俺と、俺の膝の上の猫)の、斜め前に座る。


 普段なら、ビビりだけど強がりたいお年頃パワーで厄介者扱いしていたところだろうけど、


 ニャンニャンタイム(猫と戯れている時と読みます)に声をかけられたとあっては、そうはいかない。俺は、母性愛に満ちたお兄ちゃんパワーで、見知らぬおじさんの相手をすることにした。


俺「バイト帰りですよ。この猫、人懐っこいみたいで」


俺「あの、良かったらそれ、少しこの子に分けてもらえません? 野良だから腹減ってるみたいで」


 おじさんのビニール袋を指しながら、言う。それを聞いた猫は膝から降りて、ビニール袋のほうへ向かった。


 するとおじさんは——


おじさん「おうっおうっ」


 ——猫の頭を叩いた。


 もちろん軽くだったけど。そのあと猫の首筋を撫でていたことから、叩く意志は無く、むしろ撫でようとしたのに加減がわからず叩いてしまったことが判る。


 まあ、猫はびっくりして俺の背中に隠れちゃったけど。


 良く見ると、赤く染まっているおじさんの頬。見知らぬおじさんは、見知らぬ酔っ払いおじさんだった。


おじさん「俺も猫飼ってたんだよ~」


おじさん「朝起きたらおじさんのベッドで、子供産んでたことあってな~。ビックリしたよ~」


おじさん「だから、アナタの猫もアナタのベッドで産んじゃうかもよ~」


俺「いやだから、飼い猫じゃありませんから」


 酔っ払いの発言は支離滅裂。まるで、べつの猫の相手をしてるみたいだった。



おじさん「人間は世界で70億人! うち日本人は、たったの一億円だよっ」



 いや、単位ちがうから。日本人サマージャンボで買えんのかよ。


 食べ物を求めさまよい歩く猫に対し、この猫は、話し相手を求めさまよい歩くのか。そう思えてしまうくらいどうでもいい話しで、脈絡がなかった。



おじさん「中国なんかに攻め込まれたら、一溜まりもないよねえ! あと数年で戦争だよ!」


おじさん「平和なアナタたちも、あとすこしで戦争だよ! B29だよ! どうする!?」



俺「あの」


俺「おじさんは、戦争、参加したことあるんですか?」



おじさん「……」


おじさん「いや……それは……ないけどさあ」



俺「じゃあ、わかんないですよねw」


俺「酔ってます? 控えたほうがいいですよw」



 立ち上がると、その場をあとにする。ついつい本音が出ちゃうお年頃パワー。


大学生1「いや~今日は飲んだねえ!」


大学生2「飲んだねえ~ハッハッハ!」


 その直後、反対車線を歩く二人の大学生の大声が耳に入る。おじさんはと言うと、道行く女子高生に絡んでいた。





 酒は飲んでも飲まれるな。酒は人をだめにするようだ。


 まあ、そういう俺もいま飲んでるけど。のどごし。


 俺は酔っても猫、叩かないけどなっ←