富士山が他の山と違うのが、7,8月のシーズン限定ながら、荒天でなければ素人が簡単に3,000m級に登れちゃうところである。
スキルや装備の不備は金さえあれば点在する山小屋がフォローできる。
ただし、体の不具合だけはどうすることもできません。
高山病である。低酸素症ともいう。
標高が上がるにつれて血中酸素濃度が低下し、頭痛、吐き気、めまい、などの症状がでる。登るにしたがって登山路わきにヘロヘロな人が増える。
人や体調によって程度はまちまちで、富士山のレベルでは影響のない人もいれば、最悪は死にいたる場合もある。
今シーズンの富士山でも
事故があったようだし、
別のところだが標高2,000mちょっとの高さでも
あぶない。
ウチの場合は下の息子(小5)とカミ様がやられた。上の息子(中3)は全く影響なしで、私は軽度でたいしたことはなかった。

雲より上でヘロヘロの息子殿である。
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予想はしていた。
下の息子(小5)が男体山(2,486m)を登ったときに、登るにつれ頭痛と吐き気を訴えた。下山したら回復していたので、富士山に行けば同じ事態が想像された。
富士山スタートの標高約2,000mの5合目で高所順応目的で1時間ほどゆっくりして登山を開始した。
6合目あたりから宿泊予定の7合目小屋(約3,200m)に至るまでで、
下の息子(小5)とカミ様のペースがガクッと落ちた。
頭痛と吐き気である。数10歩歩いては休憩し、這うようにして先に進んだ。
この日はどちらといえばカミ様の方がダメージが大きく、下の息子は母を気遣う余裕があった。
山小屋に入り、二人は無理して夕食を口にした後19時前には寝床に入る。
就寝すると酸素摂取量が減る。つまり高山病にはよろしくない状況となる。
翌朝聞いたところでは、ふたりとも深夜に吐いたらしい。体調もあいかわらずよくない。
御来光を拝んだ後も下の息子(小5)は「帰ろう」「下りよう」を連発していた。
しかし、二人の顔にまだ血の気はあるし、なんとか動けそうだし、行くことにする。
その後は、30歩歩いて1回休憩が20歩、10歩となり、休憩の方が長くなりながら、それでも確実に登った。
カミ様は自分の不調を忘れたふりして下の息子(小5)を叱咤激励し、下の息子(小5)は、そんな母についていこうと足を出す。
頂上についた時には、はっきり言って、涙がちょちょ切れましたね。
涙がちょちょ切れても、頂上にいる限り体調は改善されない。
下の息子(小5)はここでも吐いた。長居は無用。下山を開始する。
下山は一気に行けるかと思ったが、やはり彼らはツライようで、しばらくは30歩歩いて1回休憩のペースだった。
それでも下るにしたがい調子が戻ってきたようで、苦痛は7合目あたりで軽減し、以降は砂走りの面白さもあって完全に復調した。
高山病の場合、最も良いのは高度を下げる。つまり下山することである。
下山できなければ、酸素を摂取する。

ということで酸素缶を準備していた。
これは1缶で5リットルの酸素を約2分放出する。
休憩時には、これにすがるようにシューッとやっていた。

しかし、
この酸素缶程度では気休めで、症状を改善するには全然足りないそうである。
確かに良くはならなかった。
ただ次の一歩を踏み出すためにはあったほうが良いと思う。
それから良いのが腹式の深呼吸である。
おなかを引っ込めながら、口をすぼめて息をぎりぎりまで吐く。
で、大きく息を吸って大量の空気を取り入れて2秒ほど止めて息を吐く。
これを5回する。
これはちゃんとするとそれだけ酸素を取り入れているのでちょっとは楽になる。
そんなことをしながら、登って下りてきた。

ところで酸素缶は5リットル缶がかさ
ばるので、10リットルの酸素を圧縮
してコンパクトにした缶も持っていった。
で、5リットル缶がなくなり、いよいよ
苦しくなって使おうとしたら、壊れてい
るようで出なかった。
圧縮しているだけにノズル部分の機構
がデリケートなんだと思う。
かさばるけど普通の5リットル缶を持っ
ていった方が良い。
どれだけもっていけばいいかというと、
これは出たとこ勝負なんで、まずは
1人1本ぐらいにして、足りなければ
山小屋で買えばいい。
とまあ、登ってみなければ判らない高山病はやっかいだが、時間をかけて、ゆっくりを心がけて登って下さい。
高山病について参考までに
低酸素症(高山病)とはなにか
あっぱれ富士登山「高山病について」