歯のお手入れとトレーニング(3) | かけがえのない愛犬との暮らし

歯のお手入れとトレーニング(3)

おはようございます。
Lovin' Dogsのランパです。


前回に引き続き、
ランディーに対して行った歯磨きの慣らしについて
お話したいと思います。


●3ヶ月目
リラックスポジション(以降、リラポジと略記)での
マズルコントロールは継続しています。
また、犬が座った状態または立っている状態で、
親指と人差し指で輪を作り(両手で輪を作ってもOK)、
ランディー自ら輪にマズルを入れるのも継続しており、
この時点で、マズルを入れたままで維持できる時間が、
先月の約2倍の3~4秒間になりました。
(4ヶ月目以降も、慣らしトレーニングは継続していますので、
以降記載は省略します。)


また、先月初めから始めた、
口の中に指を入れ、歯や歯茎に軽く触ることにも徐々に慣れてきて、
苦手だった奥歯についてもようやく他の部位と同様となりました。


そこで、水で濡らしたガーゼを指に巻き、これで擦るトレーニングを
下旬から始めました。
※水ではなく、肉汁水やミルク水、チーズ+水など
 その犬が大好きな食べ物をガーゼに染み込ませると、
 磨かれる際の嫌悪感が緩和されます。


当然、指の場合とは異なりとても嫌がりましたので、
指の時と同様、いきなり全部を触るのではなく、
今回は犬歯の後ろ辺りだけ、次回は時間や日を改めて前歯だけ、
次は奥歯だけと、無理せず少しずつ行いました。
いずれも、ちょっと触ったら、すぐに褒めておやつです。


さらに、歯磨きトレーニングの後には、
必ず大好きなご褒美(馬の背肉)を与えるとともに(プレマックの強化原理 )、
食べている間(5~10分間)、指に巻いたガーゼを視界の中に入れておき、
ガーゼに対する嫌悪感を緩和していきます(拮抗条件付け )。


歯のお手入れとトレーニング(1)
 「大嫌いにならないためには④歯磨きの感触(異物が口の中)
 「大嫌いにならないためには③歯磨きに使用する道具そのもの」の
 慣らしになります。


※プレマックの強化原理を最大限利用するため、
 馬の背肉は、歯磨きトレーニング後のご褒美としてのみ使いました。


※ガーゼに関して、以前お話した「自動反応形成 」を用いて、
 事前にプラスの印象を持たせることも出来ます。
 ただし、この時点ではそこまで勉強が進んでいませんでしたので、
 用いていません。
 またこの後、歯ブラシに移行しようと思っていたため、
 ガーゼに十分慣らすことは、あまり重視していなかったかもしれません。



●4ヶ月目
ガーゼによる歯磨きは継続していますが、まだまだ最中は嫌がります。
ただし、中旬の頃になると、
ガーゼを見せると、喜んで近づいて来るようになりましたので、
 歯磨き後のおやつ(好き) >> ガーゼによる歯磨き(嫌い)
になってきたようです。



●5ヶ月目
ガーゼによる歯磨きを中旬まで継続しました(約2ヶ月間)。
残念ながら、記録がはっきり残っていないので、
この時点でどの程度、ガーゼによる歯磨きに慣れたかはっきりしません。


また、中旬の初めには、トレーニング後のご褒美を食べている間、
ランディーに見せる対象を、ガーゼから歯ブラシに変更しました。
(まだ好き嫌いのイメージがない歯ブラシへの、プラスのイメージ付け
です。正確には、自動反応形成とは呼ばない方法だと思います。)


下旬から、水で濡らした子供用歯ブラシによる歯磨きを開始しました。
もちろん、とても嫌がりましたので、いきなり全部を触るのではなく、
今回は犬歯の後ろ辺りだけ、次回は時間や日を改めて前歯だけ、
次は奥歯だけと、無理せず少しずつ行いました。
いずれも、ちょっと触ったら、すぐに褒めておやつです。

※水ではなく、肉汁水やミルク水、チーズ+水など
 その犬が大好きな食べ物を歯ブラシに染み込ませると、
 磨かれる際の嫌悪感が緩和されます。


この時点では、座った状態・リラポジ両方で行っていましたが、
いずれでも、口を閉じて歯ブラシが入ってこないように抵抗しており、
歯磨き中、後者では後脚が震えて、尻尾もお腹に巻き気味でした。


トレーニング後のご褒美を与えるとともに、
食べている間、歯ブラシを見せて、拮抗条件付けも継続します。


歯のお手入れとトレーニング(1)
 「大嫌いにならないためには④歯磨きの感触(異物が口の中)
 「大嫌いにならないためには③歯磨きに使用する道具そのもの」の
 慣らしになります。



●6ヶ月目
歯ブラシによるトレーニング(拮抗条件付け含む)を継続。

下旬に、家に引き取ったので、
トレーニングの回数を1日1~2回に増やしました。
以降、すべてリラポジで実施となりますが、
まだまだ歯磨きの最中は、尻尾をお腹に丸め気味で、後脚も震えています。



●7ヶ月目
どうにか、一度にすべてを磨けるまでになってきたので、
実施回数を2日毎に減らし、
トレーニングから日常のお手入れに位置付けを変えました。


中旬には、歯磨き中に後脚が震えなくなり、
尻尾もリラックス時と同様、垂れ下がったままとなりました。
歯ブラシでのトレーニングを開始してから、約2ヶ月後です。



下の動画は、3日前の歯ブラシによる歯磨きの様子です(1年8ヶ月後)。
今でも、顔を背けたり捩ったり、

たまに口を閉じようとして軽く抵抗してますね。
でも、前脚や後脚、(映っていませんが)尻尾の力は抜けたままなので、
こんな時は励まして、そのまま続けています。



全体の約1/4程カットしているため、実際の所要時間は4分弱です。
マズルを軽く掴み、大きく口を開いた状態で、

歯の外側内側とも全て磨きます。
ほとんど聞こえていませんが、褒めや励ましの声掛けとともに、
1/4ずつ磨いた所でおやつを与えています。


ただし、先月まではずっと、
口は開けずに脇から歯ブラシを入れ、外側の歯を全て磨き、
その後動画のように口を大きく開いて、残りの部分を磨いていました。
声掛けやおやつも今よりも3~4倍は多く行っていたため、
所要時間は5分以上掛かりました。


単純に歯磨きに掛かる時間が少ない方が、
合間のおやつを減らしても、結果としては負担が少ないかなと
思ったため、今月から変更して様子を見ている所です。



元々、スクールでは手がそこまで回らないこともあり、

歯磨きは十分にされず、歯石が付いたらそれを取り除いていました。

私が担当に付いた直後から、歯磨きのトレーニングを始めたのも、

2歳を目前にして、既に歯石がかなり付着していたからです。


ランディーの場合も、既に歯石取りを何度も経験しており、

かなり頑強に抵抗されると聞いていたので覚悟はしていましたが、

こうして改めて振り返ってみると、

毎日行うことが出来なかったにしても、半年以上掛かっているんですね。

強い苦手意識を持ってから、再度慣らすのはとても根気のいる作業だと

改めて感じました。


良かったと言えるかは疑問の余地が残りますが、

日常のお手入れとしての歯磨きはせず、トレーニングに専念できたことは、

再度の慣らしという観点からは、大きくプラスに作用したと思います。



初めから強い苦手意識を持たないよう徐々に慣らしていけば、

ここまで長くは掛からないと思います。

特に仔犬時代から行っていれば、永久歯に生え換わる頃には、

犬も飼い主さんも歯磨きに十分に慣れることが出来るでしょう。


健康で快適な生活を送るために、歯磨きが習慣となるよう、

出来るだけ早くからトレーニングを行って頂ければと切に願います。


**************************************************

タグ:歯磨き,歯ブラシ,歯石,歯垢,歯周病,歯肉炎,お手入れ