『ビューティフル サンデー』 のコメンタリー解説を始めたので、当時のニュース記事も少し拾ってみましょう♪
俳優としての成長痛を経験したパク・ヨンウ
純粋極まりないと思っていた瞳は落ちくぼんで精気なく何かを凝視している。発する言葉のひと言ひと言には、彼の誠実さがあふれている。
29日に公開される映画 『ビューティフル サンデー』 の中でパク・ヨンウは疲弊した精神世界を秘めた カン刑事 を演じる。病床の妻のために暴力団と結託せざるをえない無力な人間の姿で現れる。
当然ながら、彼特有の快活な笑い声や曇りなき笑顔には出会えない。映画の中の彼はもちろん、インタビューに応じる彼もまた、誠実極まりない。
「(公開を目前に控えた)この時期は興行成績の見通しについての質問が多くて相当な負担を感じます。前作 『静かな世界』 が失敗だったせいでしょうね」
悪いことは続くと言う。『静かな世界』 以降、韓国映画の上映数が減り、違法ダウンロードや映画業界の不振等が騒がれる中、パク・ヨンウも俳優として様々な悩みを抱えるようになった。
「一皮むける時期に来たってことでしょうか。現実がよく見えるようになって悩み始めました。役者はただ演技だけしていればいいという考えが現実的でないと知ってしまったんです」
演技を続ける中でどれほどすばらしい体験をしても、興行成績が悪ければ非難を免れない冷たい現実が、パク・ヨンウの気持ちを重くしているようだ。
「基本的に役者は商売人にはなれません。だけど現実では、観客動員数や経済面を考えなければならないこともまた確かなようです」
主演俳優の責任の重さを痛感するようになった今、『ビューティフル サンデー』 に対する愛着も強く、深くならざるを得ない。
映画に対する責任、役者が負わねばならない運命
「考えすぎと言われるかもしれませんが、大衆映画に出演する以上、大衆に寄り添って呼吸するため悩むことは必要でしょう。僕一人が努力してどうにかなるものでもありませんが、そういう気持ちを持っているというのが大事なんです」
予想外にヒットした映画 『甘く、殺伐とした恋人』 の後、『静かな世界』 『ビューティフル サンデー』 に出演したが、周囲の期待に満ちた視線は負担となり、彼の気持ちを重くしている。
「どのみち役者は映画の興行成績について責任を負わねばならないでしょう。映画を作っている仲間の一人として、悔しいし腹も立ちますが、それは短絡的な思考に過ぎず、どうやっても責任はついてくるもので、そのことを否定するつもりはありません」
とすれば、『ビューティフル サンデー』 の成績予測はいかほどか?
「興行成績というのは、答えのない問題だと思います。役者にはヒット作に出演できるサイクルのようなものがあるような気がします。何作かにひとつヒットするとか、ヒットが続くと思っていても突然失敗する場合もある。僕も、僕のサイクルを見極めようとしている過程にいるのではないでしょうか」
映画に対する責任感を表明すると同時に、自分の興行サイクルを作り出そうとしている過程のひとつとして、最近の彼は、広報活動にも熱心だ。
「どんな分野にもプロはいます。だから広報担当に命じられるまま広報活動に参加しています。広報と作品は別々のものですが、どうせやるなら最善を尽くしますよ」
それほど社交的とは言えないパク・ヨンウだが、先日、明洞の一角で数百名の女性ファンにファンサービスを行い、芸能ニュースやインタビューで見事な腹筋を披露もした。大真面目な作品のカラーとは距離があるが、広報のために応じた。
「作品ごとに異なる意味があります。ですが、ひとつの作品を終えるごとに自分自身に気づいていく、その連続だというのは間違いありません。『ビューティフル サンデー』 では僕の中のものを発散するキャラクターだと位置づけました」
映画の中の彼は、やつれて疲れ果てている。肌は日に焼け、憔悴しきった声を出す。色白で愛らしい男の子のイメージだった彼の変身ぶりに、女性ファンは憐憫を感じるほどだ。
最善を尽くす演技、広報にも全力投球
「僕の普段のイメージ、あるいは私的な情報がまったくない状態であったら、そんなふうに思われる(憐憫を感じられる)ことはなかったでしょう。そう考えると、僕に対するイメージが定着してしまっているのはよくない、とも言えますね」
「とにかくどんな役でもやってみたい」という彼にとっては、どんな形であれイメージの定着は警戒しなければならない。
「『静かな世界』 でも刑事役だったので同じようなキャラクターを想像される方がいらっしゃるでしょうが、一人の人間が生きていく中でも数百、数千の異なった感情が芽生えるように、同じ職業であっても限りなく違うキャラクターに描けるのです」
広報活動と次回作の撮影が重なっている彼の表情には、さすがに疲労が漂っているものの、一方で満ち溢れる意欲を隠すこともできないパク・ヨンウ。
「最善を尽くした作品です。結果はどうなるかわかりませんが、楽しんでご覧いただけると幸いです」
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記事としては別々に掲載されたものですが、こんなのもあります。。。
最近、とあるテレビ番組で、パク・ヨンウの<肉体>にスポットライトが当たった。
映画 『ビューティフル サンデー』 撮影のため、短期間で8kg減量し、ハードスケジュールで身体を鍛えたことが話題になる中、記者がスポーツクラブで過ごす彼を訪ねて行ってインタビューを行った番組だ。
画面に映されたパク・ヨンウの肉体はじつに素晴らしかったが、映画の中で披露されることはない。
パク・ヨンウは、最近行われたインタビューの中で、「僕の身体づくりに関心が寄せられていますが、映画の中には脱ぐシーンなんてないんです。減量して身体を鍛えているのは役に成りきるための方法のひとつ」だと言う。
疲れ切った刑事役を演じるパク・ヨンウは、キャラクターを表現するために、自分自身の肉体も苛め抜いて疲れ切った状態を維持したかったのだ。
「クランク・インする前に、太るべきか痩せるべきか決める必要がありました」と話すパク・ヨンウは、「ジレンマに陥って壊れていく無力な人間を表現するために減量を選び、つねに身体が疲れていたおかげで演じるのはラクだった」という。
<疲れ果てた心>を表現する手段として減量し、トレーニングを行った結果、<引き締まった肉体>が大衆の関心を引いたのだ。
(訳文文責:ハギ)