映画が面白くなければ、観客にそっぽ向かれるのは当たり前
STAR Today 2014年11月21日
俳優 パク・ヨンウは、20日に公開された映画 『春』 について、「温かい目で見てやってください」と言いたそうだ。しかし、「映画が面白くなければ観客がそっぽを向くのは当たり前だ」とも言う。
あれ? いいことばかり話しても話し足りないだろうに、これはいったい?
「面白くない映画を、無理矢理面白いと言わせようとしているのではない。面白いと思った人に、僕たちの映画を応援してほしい。『春』 には一味違う面白さがある」ことを強調するための手だった。
そう言いながら、「映画の製作費を、誰が出演するかによって二分法的に考え、見てもいない作品に偏見を持つ人たちがいるのは残念だ」という、自身の意見を積極的に語った。
「みなが同じ考え方をするわけではありません。私たちの映画を気に入ってくださる方もいれば、そうでない方もいらっしゃるはずです。ですが、基本的に映画熱が高まっているにも関わらず、韓国映画は落ち目だという場合が多々あります。外国映画や大作が公開されるとよく起こります。とりあえず映画熱が高まったときは、劇場関係者も考え方を変えてくれればいいのに」
2012年に、観客の反応は良かったものの外国映画などに押されて居場所を失ってしまった映画 『パパ』 の悔しい経験が垣間見える。『春』 がその前轍を踏まないでくれればいいという口ぶりだ。
それでも、『春』 やはり大作の外国映画に押され上映館の数が伸びない。初日は104の映画館で上映され累積観客数は4,466人だった。
海外の映画祭で8冠王を取る等、海外でまず認められた作品 『春』 は、ベトナムで激戦が繰り広げられた1960年代末、生きる目的を失った当代一の彫刻家ジュングと、最後の最後まで生きる意志を取り戻させようとした彼の妻、貧困と暴力のもとで生きる希望も捨てていたところにヌードモデルの誘いを受けるミンギョン、この3人に訪れた人生で最も美しい瞬間についての物語だ。
パク・ヨンウは 『春』 に出演したことに満足している。
「退屈なようでいながら惹かれていく、何だかわらかないけど美しくて、好みのジャンルではないけれど何故かもう一度観たくなる映画、だと思います。理由は僕にもわかりません。シナリオを読んだときも、商業的に儲かる映画に出ないといけないんだけどな・・・なんて考えながら最後まで読んでしまい、本能に従って決めました。すべて運命でしょうね(笑)」
「一般的に、シナリオは1~2時間で読めるものですが、僕は6時間かかります」と話す彼は、「この作品を読んでいると、頭の中に絵が描けました。ジュングが野原を歩いたときの気持ちはこんなだろうな、じゃあ僕は、こんなふうに笑っているだろうな、麦や稲穂は、風にこう揺れるんだろう、という感じで、場面が描けていったんです。
「ジュングの感情を上手く表現できるだろうか、彼の視線はどんなふうだろう?」といったことをずいぶん悩んだように思います」そこまでのめり込んでいたようだ。
キム・ソヒョンとイ・ユヨンが主演女優賞を取り、自分には受賞の知らせが来ないのだが、前向きだ。海外の映画祭を経験したことと、その喜びもない。
彼は、「賞をもらえば嬉しいでしょうが、今、結論づけて思うのは、賞は受けた瞬間だけが幸せ」だと言い、「長くても1週間が限度だと思います。もちろん、賞金が出ればうらやましいですが」と笑った。
そう言いながらも「演技が上手いと言われるのは嬉しい。じっとしていても絵になる役者、冒険を楽しむ役者だと言われたい」と望む。
かれは、新人イ・ユヨンの全裸についても言及した。露出度は高いが、映画は決していやらしく感じない。パク・ヨンウは、「シナリオを読んだときから露出とは関係ない映画だと思った」「映画を観てもらえば、みなさんにもどういう意味かわかってもらえるだろうと思った。むしろ、そういう先入観を持って映画を観た人ほど、そんな作品ではないことがよくわかるだろうと考えた」と満足そうに語る。
イ・ユヨンとのエピソードも話してくれた。イ・ユヨンが自分を怖がっていたということ。「現場では女優さんにそれなりに気を遣っているつもりなんですが、ユヨンさんは僕のことを怖がっていたようです。時間を取って話してみたりしましたが、呼び出しを受けてすごく怖かったって言ってました。ははは」
自ら問いかける時間が増えたというパク・ヨンウ。より一層、真面目に悩みながら生きるようになった。以前と変わったのは、実践する習慣がついたことだ。考えが変われば習慣も変え、人格も行動も変わってきた。結果、人生そのものが変わってきたようだと言う。
「実践してみると幸せを感じます」という幸福論者(?)だ。信仰を持つようになって考え方が変わったのかと聞くと、すでに20年前から通ってきたという。いろんなことに、残念さは残っているけれど、それまでもを幸せだと言うパク・ヨンウ。見ていて気持ちがいい。彼が苦しかった時期に、<春>に出会えてよかった。
「『春』 の撮影を始めて、僕だけじゃなく係わった人みんなが望みを叶えたように思います。後は観客がどう評価してくれるかが残るだけです。この映画を好きだと言ってくれればもっとハッピーです。実のところ、僕たちは、この映画について、撮影することはわかっていたけれど、公開して、インタビューや宣伝活動をするチャンスがあるかどうかは疑わしく感じていましたから。それがこんなところまで来ました。気分は最高です(笑)
(訳文文責:ハギ)
毎日のように新しいニュースが飛び込んでくるので、嬉しい悲鳴をあげています^^
どのニュースのお写真も、とても穏やかで活力に満ちて幸せそう。
ついつい嬉しくて、全部このブログの中に残して置きたくなりますね。
この記事の記者さんは、いくらか哲学マニアっぽくて、上手く訳せなかった部分がたくさんありますが
ニムの素敵なお写真に免じて許してくださいませ~