朽ち木とクワガタとズボンの思い出w | しゅうパパの何か思う日常と沖縄クワガタ採集記

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http://ameblo.jp/loveway14/entry-12202938361.html ←沖縄のクワガタ採集初心者さん向けの記事です♪

 

この前の大雨は凄かったね。

警報が出たヤツ。

朝の通勤、通学の時間帯だったから車の渋滞も尋常じゃなかった・・

( ̄▽ ̄;)


大雨と洪水警報が出てたらしいから、どんだけの雨量だったのか考えるだけでも怖い。



大雨が降った後は木が倒れてしまったり、倒れやすくなったりするから、いつも行くクワガタのポイントの木は大丈夫かと心配になった。


それと一緒に去年、友人が言っていた事を思い出したんだ。


「台風でクワガタをとっていた木が倒れたから、もうそこではクワガタがとれない。」


…うん、とても残念だよね。


確かに去年は台風がよく来ていた。

僕が頻繁に行くポイントでもタブノキがバッキバキに折れたり、ソウシジュが根元から倒れたり、ショウロウクサギがダメになったり、しゃがんだ際に僕のズボンの尻の部分がバリッと破れたりしたんだ。


あの時の絶望感たるや、筆舌にし難いものがあるよ。( ̄~ ̄;)



だって、もうその木ではクワガタを見る事ができないんだよ?

悲しすぎる。



もっと言えば、出先で着替えもないのに尻部分が激しく裂けてるなどと…


近隣小中学校の不審者情報の案件になってしまうではないか!

悲劇以外の何物でもないよね。



…とはいえ、僕は友人に言ったんだ。

「木が倒れたのは残念だけど、クワガタにとっては悪い事ばかりでもない。
 クワガタの幼虫は朽ち木で育つから。」

友人は最初きょとんとしていたけど、「そりゃそうか。」と納得したようだった。



たくさんクワガタがいる場所って、幼虫が育つ朽ち木があったってことなんだよね。


クワガタが来そうな立派な木があるのにクワガタがいないって場所って結構あるでしょ?

あれって、付近に朽ち木がないから幼虫が育たずクワガタが現れることができないからなんだよね。


でも朽ち木は有限。

幼虫が育つってことは、朽木は食べられて消費されていく。

そしていずれはなくなっちゃうんだ。


だから、朽ち木がなくなればクワガタもいなくなくなってしまう。





僕が言いたいのは、いつものその場所のその木がなくなってしまってもクワガタがいなくなるわけじゃないってこと。



人間ならどうだろう?

いつも行っていた定食屋がある日突然閉店していたら?



普通に他の店に行くようになるよね。



それはクワガタにとっても同じで別の木の樹液に行けばいいだけなんだ。



つまり、その木があった場所でクワガタが見られなくなっても、クワガタがいなくなった訳じゃなくて、ただ別の場所に移動しただけ。



そして倒れた木も朽ち木になって幼虫を育ててくれる。


そうやってサイクルを繰り返してるんだね。(*^▽^*)




森の範囲が広ければ木が多い分、朽ち木・倒木の発生確率も高まるけど、

小さな林では毎回倒木が発生するとは限らない。

でもそんな場所でもわずかな朽ち木をシェアしあって育ったチビノコやチビヒラタが細々と活動してたりするよ。

でも公園など整備された場所で朽ち木の撤去が行われたりすると、さすがにクワガタも現れることができなくなってしまう。


北部では整備とは違うけど、開発で森の木そのものが伐採されて幼虫が育つ環境を奪われてしまったためにオキナワマルバネクワガタやヤンバルテナガコガネが絶滅しそうになっている現状もある。


朽ち木がなくなることがクワガタの住む環境を大きく変えてしまうんだ。


台風や大雨で倒木が発生するのはクワガタにとっては必ずしもマイナスとはならないんだね(*^▽^*)





何かと成虫に目が行きがちだけど、幼虫の環境を知ることも大事だな~って改めて思う。



さて、ここからは朽ち木についての個人的な考察。


例えば去年みたいに大きい台風が数回当たるような年だと特に林縁は直接風の影響を受けるから木が倒れやすい。


反対に森の中心部分だと、あまり風が入ってこれないから台風でも林縁のような影響は少ないように思う。


こないだみたいな大雨は林縁も林内も平等に影響は受けるはずだけどさ。


もちろん地形によって林内であっても風の影響を受ける所はあるはずだけど、それでも全体を見たら林縁よりは林内の方が確実に風の影響は少ないはずなんだ。


…ここ数年、僕はヤンバルの深い森の中でのクワガタ観察をしているんだけど、

意外と、


…本当に意外と、深い森の中ってクワガタってあんまり見かけないんだよね。



語弊があるといけないから言うけど、あくまで僕見た範囲での話ね?


人がほとんど入って来ないような原生林の中って当たり前だけど、草とかあんまり生えてないんだ。

たくさんの大木が高い位置で日光を独占しているから、地面付近は影になっちゃって日光が届いてないから、草や低木が育たないいうのが一番の理由なんだけど、


風の影響も受けにくく競争する木も下から育ってこないって、つまり環境の変化がほとんどないってことなんだよね。

これ以上育つことも変化することもなくなった状態の森を極相林っていうけど、ヤンバルの国立公園の森がソレ。



林縁だと周囲の環境の影響をモロに受けるから倒木や朽ち木は発生しやすいけど、環境の変化に乏しい極相林の森の中では、
林縁と比べて倒木、朽ち木って発生しにくいと考えられるよね。



それを踏まえて考えると、僕が深い森の中でクワガタをあまり見ないというのは、そういうことかなって思うんだ。



僕がクワガタを見かけやすい場所をあちこち考察をしてみて、朽ち木はどうだったかを合わせて考えたら、クワガタを見やすい場所では朽ち木を見かけることも多かったと言える。

逆にほとんど倒木も朽ち木もない場所は元はクワガタがよく見られた場所であっても、現在は見られない(見られにくい)状態になっていると感じられるんだよね~。
( ̄~ ̄;)


朽ち木がなくなってしまったから、クワガタもいなくなった、と。



でも正直、ヤンバルでクワガタが見つけやすい場所はいくらでもあるんだ。

ただ、僕が見つけやすいと感じている場所が林縁と呼べる所だったり、川の周辺だったりと、雨風の影響を受けやすい場所が多いのも事実。

森の中と外側(林縁)でクワガタが見やすい、見つけにくいというのが無関係というにはどうなのかな…?



また深い森の中でクワガタが見つけにくい原因が朽ち木以外にあるとするなら何が考えられるだろうか?



食木の分散あたりも考えられるかな。


樹木の多いヤンバルでは食木も分散しているから1樹木に対してつくクワガタの数も分散されるために森の中ではクワガタが見つけにくいと考える…



ショウロウクサギやアカメガシワなんかはポピュラーなクワガタの木だけど、彼らは大木にはならないので、日光にありつける林縁でしか見られない。


森の中では見られない木ではダメだ。


ならばタブノキはどうだろう?


南部なら森の中でもかなりザラに見かける木だけど、ヤンバルだと競合する樹木が多いのもあってか、思ったより少ない。


ヤンバルだとタブノキの有占している場所は南部のようには見られないように思う。
そういう意味でタブノキは分散しているといえばしているけど、クワガタ達にとってタブノキだけが食木という訳ではないしね。


ヤンバルで一番多い樹木はイタジイを中心とするブナ科の樹木になる訳だけど、残念なことによく見られるイタジイやウラジロガシにはタブノキやカキバカンコノキようにクワガタがたくさんいるという光景はほとんど見られないんだ。


最も多いからこそ、数が分散してクワガタが見られないという考え方もあるけど、

逆に最も数が多いのに南部のようにはクワガタがついていないのは何故かとも思う。


普通に考えてノコギリクワガタやヒラタクワガタはイタジイなどのブナ科の木に依存していないため、

イタジイの木等々にはついていないとわかる。



でもヤンバルでしか見られないリュウキュウコクワガタやオキナワマルバネクワガタなんかは『ヤンバル』でしか見られないのだから、ヤンバルでしか見られない樹木に依存していると考えられるよね。



となると、最も数が多いブナ科の樹木に依存していると考えた方が都合がいい。

以前も書いたけど、競争力の弱い数の少ない樹木に依存してしまうと、その木がなくなる = そのクワガタの絶滅になってしまうから。


ならば何故、樹木の最も多いイタジイ等に依存しているはずのオキナワマルバネクワガタ等の昆虫が絶滅の危機に瀕しているのか?




僕は個人的にはやっぱり朽ち木だと思ってるんだ。




先にも書いたけど、林縁だと雨風の影響を受けやすい。
木が倒れたり枯れたりというのは環境の変化を受けやすい林縁だから起こりやすいことなんだ。


環境の変化の少ない林内では朽ち木になる木も少ないはず。


だからその分、クワガタが少なくなるのではないかと思うんだ。



昔はもっといっぱいマルバネクワガタやテナガコガネもいたというなら、朽ち木が発生しやすい環境があったはずなんだ。



だけど、ブナ科の樹木の朽ち木が発生しやすい環境というのにも、どこか矛盾を感じる。



何故ならイタジイを中心とするブナ科の樹木達が沖縄の極相林のトップだから。


彼らは林縁には向かない樹木なんだよ。
( ̄~ ̄;)


林縁に向かない樹木が極相林の林内で、たくさん朽ち木になるか…?



…ならないのでは…?



そう思うと別の疑問が生まれる。



まさか、実はヤンバルテナガコガネやオキナワマルバネクワガタの数とブナ科の樹木の数に対する割合は今も昔も変わっていない、とでも…?


数が減ったと感じるのは、樹木の総数が減ったために樹木に対する割合はそのままでもマルバネクワガタやテナガコガネが減ったように感じるのだと…?



そ、そんなことあるのか…?( ̄▽ ̄;)


う~ん、流石に違うと思いたい…




広大なヤンバルの森の中でブナ科の樹木の朽ち木を探して動き回るテナガコガネやマルバネクワガタ…

そんなに活動範囲が広いかどうかも難しい所だね。
彼らは飛べるけど、彼らの飛翔性については僕は無知に等しいから何とも言えない。



あまり飛ばないというなら、朽ち木にたどり着くのも少なくなるはずなので数は減るのが想像できるけど、

よく飛ぶというのなら、数が減るというのは考え辛い。



仮に、

よく飛ぶのに絶滅の危機に瀕しているというのなら、朽ち木がないからだと考えることもできるけど…


わからん。


もしかしたら気温の変化が影響を与えている可能性もあるし、ヒラタやノコギリみたいに朽ち木がないから見られなくなったではないかもしれないし。

 

もしくは林内のイタジイなどの樹木を朽ち木にする生き物がいて、その生き物がいなくなったために朽ち木が発生しにくくなった・・という可能性だってある。


わからないことが多いから、これからも観察を続けてみないとな~!

 

・・あと、ズボンの尻が破れても大丈夫なように着替えは用意しとこう。マジで。