なぜオキナワカブトが南部にいないのかを考えてみる。 | しゅうパパの何か思う日常と沖縄クワガタ採集記

しゅうパパの何か思う日常と沖縄クワガタ採集記

http://ameblo.jp/loveway14/entry-12202938361.html ←沖縄のクワガタ採集初心者さん向けの記事です♪

カブトムシ仙人さん、キッQさんからコメントをいただいて、僕のオキナワカブトに対しての認識が違うことに気がついた。

気になる方は前回の記事をご覧下さい(笑)


オキナワカブトは腐葉土ではなく朽ち木で育つ。お二方からの経験談から見ると、オキナワカブトのイタジイへの依存性はそこまで高くないことになる。


クワガタよろしく、オキナワカブトも多様な朽ち木で育つという見方ができるのであれば、レッドリストのひとつ下のカテゴリーに分類されているのも疑問符がつくね。


絶滅が心配されるのであれば、オキナワマルバネクワガタやヤンバルテナガコガネのように絶滅危惧種になりそうだけども…?


オキナワカブトはまだ数が多いから?


むぅ…そうなのか?( ̄~ ̄;)


ならば何故オキナワカブトが南部では見られないんだろうか?



食性がクワガタに近いのであれば南部の朽ち木でも十分に育つことができるはず…



しかし、実際には南部でオキナワカブトは見られない。



オキナワカブトは朽ち木で幼虫が育つが、

南部では育つことができない何らかの理由があるはずだね。




その理由とは?




例えば、南部に多いクワ科の樹木では食木になりにくいと仮定したら…?



いや、それはないな。


それだったら、クワガタだっていないはずだし。

オキナワカブトの食性がクワガタに近いものなら、南部でクワガタ見られているのはどうして?ってことになる。


オキナワカブトだけが見られない理由を考えなくちゃいけないよね。


オキナワカブトは本州のカブトムシと比べると小柄ではあるんだけど、

クワガタと比較したら大きいと思う。


そういう意味では、ある程度大きな樹木(朽ち木)でないと幼虫が育つには不十分であると考えるのであれば、

説としてかなり弱いけど、ある程度は納得がいく。


そういった樹木はやはりヤンバルの方が多い訳だし。


ある程度の大きを持った樹木でなければダメとなると、森の開発が進んだ中南部では見られなくても無理はないと思うし。

ただ、タブノキやカキバカンコノキのようにオキナワカブトの食木になり得る大きな樹木もありはするんだから、全く見られないのは如何なものかと思うよね。



それでも昔は南部でもオキナワカブトが見られていた、って話しを僕も聞いたことがある。


少なくとも僕が子どもだった30~40年前ではない。


何故なら、その時にはもう南部ではオキナワカブトは見られなかったから。

いや、厳密には糸満市では見られなかったが正しい。

その頃にはもうオキナワカブトが生息できる環境ではなかったんだ。



ではもっと昔…


図書館の資料なんかで見られる、僕が生まれるよりも前の糸満市の航空写真なんかは、今では信じられないくらい緑が多い。
(写真はモノクロだけど)


僕のおじいちゃんやおばあちゃんが子どもの頃の時代の写真になると、

これは同じ沖縄かっ?∑( ̄□ ̄;)


っていうくらい違いがある。


そのくらい開発が進んでいない昔なら、

南部にカブトムシがいた。

と言われても、その可能性もあるかもしれないと思っちゃうよね。



でもさ、

当時南部にオキナワカブトがいたとして、何故現在はいなくなっているのかを考えると、どうしても合点がいかない。


だってクワガタは南部で見られるからね。



ノコギリクワガタやヒラタクワガタに近いなら、南部でも見られてないのはおかしいんだ。


となると、やはり特定の樹木に依存していた可能性があるように思う。

僕は今まではそれがヤンバルでしか見られないイタジイだと思っていたんだ。だからオキナワカブトはもともと南部では見られない昆虫だと思っていた。

昔の話しも記憶違いじゃないかと思っていた訳なんだけど、


でもそうでないとしたら


ホントに南部でもオキナワカブトが生息していたとするのであれば…



思い当たる樹木がひとつだけある。




それはアマミアラカシ。



南部では一部地域を除いて、もはや絶滅と言える程少なくなったブナ科の樹木だ。


沖縄のブナ科の樹木の中で唯一、石灰岩地域で育つことができる木なんだけど、


陰性が強いこともあって、開発によって森が少なくなった南部ではほとんど見られない樹木になっている。


中部~北部ではそれなりに見かけるんだけどね。


ブナ科と言えばイタジイやオキナワウラジロガシ、マテバシイと、
沖縄の貴重なカブクワの木になるんだけど、同じブナ科でもアマミアラカシはクワガタがつくのはそんなに多くない。



でも、仮にもしオキナワカブトがイタジイ依存ではなくてブナ科依存の昆虫だとしたら、南部でオキナワカブトが見られないことへの説明にはならないだろうか?

キッQさんのコメントでタブノキからオキナワカブトが出てきたのを見たことがあると貴重な情報を頂いているので、
僕の考えは見当違いかもしれないよね。

一応キッQさんは成虫が隠れていて出てきただけかもしれません、とも言っているので様々な可能性は考えられる訳だけど…


ただ、南部の石灰岩地域でオキナワカブトを見たことはないんだけど、ヤンバルの石灰岩地域ではわずかながらオキナワカブトを見たことがあるんだ。


ただアマミアラカシはもちろん見られるけど、石灰岩とヤンバル土壌が混在している様子も多々見られていたので、

僕的にはヤンバル系樹木で育ったオキナワカブトが石灰岩地域に飛んできている可能性もあると思ったので、ひとまず保留していたんだ。


アマミアラカシとオキナワカブトに関係があるのかどうかは定かではないんだけど、
南部でのアマミアラカシの減少と、オキナワカブトが昔、南部に見られていたが現在は見られなくなっているという事例を合わせて考えると、


もしかしたら…


って思ったりもする。


また、オキナワカブト仙人さんの情報に、南部の旧C村で採集した人もいるという話しもあるそうだし、

ピキーン!∑( ̄□ ̄)

って来るものがあるんだ。



その地域と言えば、アマミアラカシが残る地域の一角だし、よりその可能性を感じるよね。





ただねぇ…


上でも言ったけど、アマミアラカシにクワガタが好んでついているとか、見たことないんだよなぁ…( ̄~ ̄;)


樹液が出てるから、とりあえず来てみました。ってのはまぁ、見たことはあるんだけど。

…う~む、食木にならないなら説としては微妙だね。


…ただ幼虫時は食木として食べてても、成虫になると他の樹木に流れていくという可能性もないとはいえないし、



どうなんだろうなぁ…





オキナワカブトが幼虫の時はブナ科の樹木を中心に食木にしていたとして、石灰岩地域ではアマミアラカシを食木にしていても、

成虫になったらタブノキやアカメガシワに来るようになる、というのなら、

アマミアラカシが南部で見られなくなったためにオキナワカブトも見られなくなった。
と言えるんだけどね。


一応南部の一部地域にはアマミアラカシが生き残っている所はあるけど、朽ち木になるアマミアラカシがなければオキナワカブトも結局育たない訳だし…




う~ん…

ごちゃごちゃしてきた。





少し、整理して…



まずオキナワカブトが昔、南部にいたとする場合は…

現在はいない点から考えて、クワガタ程の食木の広さはないと思われる。

そして、食木にしていたはずの樹木が減少したために南部ではオキナワカブトが見られなくなったと思う。

減少した樹木は不明だけど、南部で絶滅しつつあるアマミアラカシの可能性が考えられる。



何故アマミアラカシかと言われると、理由は2つ程あって…

ひとつめは
本来なら沖縄本島の石灰岩地域における極相林はアマミアラカシを中心としたものになっているはずだからっていう理由。

当然、極相林のトップの樹木なんだから数も多くなるし、それを頼りにする昆虫も多いはずなんだ。

わざわざ数の少ない樹木に依存したら絶滅してしまう可能性が高くなっちゃうからね。



ふたつめは北部の石灰岩地域ではアマミアラカシとオキナワカブトが見られること。


この2つだね。


あくまで僕の知っている中での情報をもとにした推測でしかないので考える余地は多いにあると思う。



他にも南部では絶滅に瀕している樹木があれば、考察してみたいね。



ひとまずは可能性があると思ったアマミアラカシを巡ってみようかなぁ…