ロンドン五輪:マレー金&銀メダルを獲得! | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

一日遅れとなりましたが・・・


ついにマレーが金メダルを勝ち取りました!

一緒になって応援してくださった皆様、ありがとうございました!


オリンピック開会式の芸術監督を務めたダニー・ボイルの映画
『28日後…』のタイトルと合わせたかのように、28日後に
再び巡ってきたアンディ・マレーロジャー・フェデラー
ウィンブルドンでの五輪決勝。

前回はフェデラーのウィンブルドン優勝最多記録達成
マレーのグランドスラム初優勝をかけての戦いでしたが、
今回は二人の目標は同じです。

オリンピックで金メダルをとること。

もう朝から私は興奮と不安で何も手につきません。
というのも、朝からざんざん振りの雨。

前回の記事でも書きましたが、もしセンターコートに屋根が
かかったまま試合が始まったら、フェデラーに恵みの雨と
なってしまいます。

またフェデラーは一日オフだったのに、マレーは前日ミックス・
ダブルスを2試合もこなし、
今試合に集中して準備する時間が
なかったことです。
これがどう影響するかも不安。

でも試合開始午後2時前には無事に雨が止み、
今度は恵みの太陽が現れました!

ということで、さんさんとまぶしい光が降り注ぐ中、
再びセンターコートに二人が戻ってきました。

さてウィンブルドン決勝同様、今回もフェデラーの戦略は
とにかくポイントを短く終わらせること、というのが明らか。

マレーのロブやパッシングショットの危険を承知しながらも、

積極的にネットに攻めてきて、1ゲーム目からいきなり
フェデラーがブレークポイントを掴みます。

いきなり試合開始後から訪れたこの危機に、もう会場は騒然。
ところがこの恐怖をマレーが無事に逃げ切った後は、ほぼ完全に
マレーの一方的ともいえる試合展開に。

フェデラーの攻撃が裏目に出始め、お得意のフォアハンドでも
ミスの連続。

その弱みに付け込むかのように、マレーの頭脳プレイと
攻撃的なショットがタイミングよく繰り出され、
なんとマレーが10ゲームを連取

フェデラーは一時間後にやっと再び1ゲームを取り、
スコアが6-2, 5-1となりましたが、時すでに遅し。
マレーが次のサーブを守り、2セットを先取しました。

つくづくこの間思っていたことは、レンドルがコーチになって以来、
マレーのプレイが洗練されてきたということ。

レンドル参加直後の全豪オープンでは、攻撃的なショットを
連発するかと思えば、バックからの防御的なプレイに入ったりと、
レンドルのインプットと以前のマレーのプレイスタイルが出たり
入ったり、マレーが試行錯誤しているのが明らかでした。

でもいまや守りと攻撃のバランスが上手く取れ、まさに
マレーの真の才能を生かす『つぼを得た』テニスが
やっと繰り広げられるようになったと、つくづく、しみじみ、
惚れ惚れ~(涙

前回のブログでも書きましたが、ここまでで…
私が願っていたシナリオはすべて筋書き通りに進みました!

前回の決勝のように試合中に屋根がかかり、フェデラーが
突如インドアで復活するという
展開はなし。

そして前回は1-1となり、残りの2セットをフェデラーが取りましたが、
今回は無事にマレーが2セットを先取。

こうなると、いよいよ『金メダル』が一歩一歩秒読み
近づいてきました~っ!

3セット目でもマレーはフェデラーをブレークし、スコアは3-2に。
ところがフェデラーが諦めるわけはありません。4-2になったところで
マレーをブレークし、マレーに大きくプレッシャーをかけてきます。

次のサーブはお互いに死守し、スコアは5-4に。

そしていよいよ『金メダルポイント』をかけてのマレーのサーブです。

まさに人生最大のマッチポイントとなりました。

そしてついに…

アンディ・マレーが 6-2, 6-1, 6-4 でロジャー・フェデラーを破り、
イギリスのために金メダルを獲得!


ついにやりました、マレー!!!!!!!!


私が号泣している横で、彼氏も友達も大泣き。
もうイギリスは五輪ですっかり涙もろくなってます。


マレーはイギリス国旗のもと、金メダルを獲得しました!

ゴッド・セーブ・ザ・クイーンを歌いました!


イギリスのために戦い抜くことができました!




でも一番感動の瞬間だったのは、マレーの勝利に心を動かされて
マレーに抱きついてきたヘンリー・キャプラン君…o(;△;)o


この後金メダルをかけたミックスダブルスでは、シード1位の強豪、
アザレンカ&ミルニー相手に1セットを取ります。
タイブレークで惜しくも
負けたものの、18歳の
ローラ・ロブソンとともに銀メダルを獲得!


ということでアンディ・マレー、金&銀メダルを獲得~っ!!!!


1912年のストックホルム五輪のチャールズ・ディクソン以来の
快挙です。

この功績を称えて、イギリスの他の金メダリストたちと並び、
マレーの金メダル記念切手が発行されました!

もちろん速攻で注文しました。絶対に使いません(笑


さらに金メダリストたちの出身地のポストが金色に塗り替えられていますが、
マレーの出身地であるスコットランドのダンブレーンにも
金のポスト
ができました。


うわーん、このポストはぜひとも訪れたいです。
どこに金ポストにあるかはそれぞれ謎なので宝探しとも
呼ばれていますが、ダンブレーンは小さな村なので
きっと探しやすいでしょうね。

***

さて今回の勝利について、どうしても語りたいのは、
マレーがコートに入ってきた瞬間の驚きです。

金メダルという一生に一度のチャンスがかかっているにも関わらず、
マレーの肩も頭もまっすぐ上がり、顔は冷静に落ち着いていました。
その姿を見た瞬間、「マレーは大丈夫」と、ふと強い希望が!

なぜって、このマレーの落ち着いた自信ある顔と態度は、
前にも見たことがあるからです。

それは
2010年に全豪オープン決勝でフェデラーに負け
大きなスランプに陥ったあと、ついに復活したときのマレーの顔です。

同年8月のトロントマスターズ決勝フェデラーを破り、
10月に上海マスターズの決勝で再びフェデラーと戦うことになったときの
マレーが、まさに今回の冷静なマレーでした。

このままテニスをやめてしまわないかと心配したくらい
スランプ中のマレーは打ちのめされていただけに、
いまだにあの日のことが忘れられません。

つい4週間前のウィンブルドンの、長い廊下を歩くマレーの顔は
まったく違いました。

フェデラーがいつも通り落ち着いて、前髪を優雅にかきあげながら
王者の品格を持って先頭を切る中、後ろに続くマレーの肩には
76年ぶり英国チャンピオンを期待する国民からのプレッシャー
重たくのしかかっているのがありあり。


もうその瞬間から、こちらも

ずっしり

と、マレーのプレッシャーを背負いました (゜д゜;)

ということで、今回マレーがコートに入ってきた瞬間、
2010年のスランプから立ち直ったマレーの姿
それに重なる思いが、走馬灯のようによぎりました。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

マレーがオリンピック開始前に話していたように、敗北後、
五輪に気持ちを集中させることが助けになったのは確かです。

前回のウィンブルドンでは、他国からの参加選手とは違い、
マレーだけがイギリス中の期待を重く背負いましたが、

今回はオリンピック。

世界中の選手すべてが、自国からの大きな期待を背負っています。

いまや参加選手たちが全力を尽くして
メダルのために戦い、
毎日のように喜びと悔しさの涙を流しています。

しかも今回はイギリス国旗を振ってマレーをイギリス人として応援する
純粋な英国観衆(↑という言い方もおかしいですが・笑)が、
マレーの一挙一動に大きな声援と拍手を送りました。

それがマレーにとって、プレッシャーになるどころか
大きな支えとなりました。

「これは人生で最高の勝利だ。今週は素晴らしい一週間となった。
 楽しい日々を送れたし、応援も信じられないくらいだった。

 昨日の夜に陸上競技を見たけど、本当に素晴らしかった。
 モー・ファラー(1万メートル走で金メダル獲得)の勝利は
 凄かった。

 僕は疲れていない状態で400メートルを57秒で走るのが
 精一杯だけど、9千6百メートル走った後、残りの
 400メートルを53秒で走れるなんて信じられないことだ。
 あのような姿を見ていて、僕も金メダルを勝ち取って
 彼らの一人になるんだというモチベーションが沸いたんだ。

 ウィンブルドンの後でもあるしミックス・ダブルスで
 少し疲れていたけど、今日は疲れを感じなかった。
 コートでも、試合開始直後を除いては、まったく
 緊張しなかったんだ。

 僕は苦しい試合で何度も負けてきた。そのたびに人々から
 その答えを求められてきた。
 でも今度こそは僕が待ち望んでいたパフォーマンスを
 見せることができて本当に嬉しい。

 今回は大きな試合だった。ロジャーにとってもそれは
 同じだった。彼も金メダルを切望していたはずだ。
 これだけはシングルスで彼が果していないゴールだからね。

 今日勝ったこと、そして自分の試合振りによって、
 過去の敗北の重さが軽くなったような気がする。
 この勝利は次のグランドスラムへの挑戦への助けとなるし、
 僕が選手としてより向上するきっかけとなると思う」


こうして、マレーは金メダルを勝ち取り、誇らしい気持ちで
昨日から開始されたトロント・マスターズへと飛んでいきました。

というか、当然のことながらマレーは休養を取ると思ったので、

こんなにすぐに大会参加するとは、かなりびっくりです!

同じくデルポトロ、ジョコヴィッチも参加。すごいですね。

もちろんマレーの体調によっては辞退する可能性もありますが、
カナダのマスターズでは2度優勝していることもあり、すでに
全米オープンへ向けての下地作りに闘志を燃やしているようです。

とにかく大舞台で優勝できたことが、次のグランドスラム決勝の際の
大きな自信につながると信じています!

***

さて、今回誰もが驚いたのは、フェデラーがまったくいつもの力を
出し切れなかったことです。


試合前に、マレーは

「グランドスラム決勝はフェデラーの方が圧倒的に経験豊富
 だけど、五輪決勝はお互いに未知の世界だから、
 二人の立つ土壌は同じだ」


と語りましたが、本当にその通りだったようです。

マレーにとって自国で行なわれる五輪での金メダル獲得が
人生最大の功績であるとしたら、フェデラーにとっては、
これがおそらく最後のシングルス金メダル獲得のチャンス。

実現すれば、シュテフィ・グラフセリーナ・ウィリアムスに並び、
『ゴールデン・スラム』(全グランドスラム+五輪金メダル)の
タイトルを得ることに。

ということで、毎年巡ってくるグランドスラム大会と違い、
二人にとっては一生に一度しか巡ってこない歴史に名前を残す
チャンスです!

あれだけ冷静に見えるフェデラーですが、この人生初の
大舞台ではさすがにプレッシャーに勝てなかったようです。

「最初から最後まで、非常に感情的な大会となった。
 一回戦で僕はファラに負けるところだっただけでなく、
 同じことがデルポトロ戦でも起こったからね」

一回戦ではファラが2セット目を獲得しましたが、フェデラーは
危うく切り抜けました。

また準決勝のデルポトロ戦では、フェデラーは1セット目を
落とし、2セット目はタイブレークで生き残り、3セット目は
19-17で勝ち取るという死闘を繰り広げました。

「一回戦目の後は、涙が止まらなかったんだ。
 コートでインタビューを受けているときも、
 もう少しで泣き崩れるところだった。

 でもそれだけ僕にとっては重要な試合だったんだ。
 もしかしたら負けていたかもしれない、という
 気持ちだったからね。もちろん準決勝の後でも、
 まったく同じ気持ちを味わうことになった。

 だから今日の試合前から、僕の中からは
 すでに多くの感情が抜き取られていたのかもしれない。
 恐らくそのせいで全力を出し尽くすことができなかった」

フェデラーのような優勝を何度も成し遂げているベテラン選手でさえ、
これだけ大きなプレッシャーを抱えていたんですね。

この無念さを引きずりつつも、フェデラーはマレーの
カムバックに大きな称賛を送りました。

「彼はすでに素晴らしい選手だ。ウィンブルドンでも
 彼は本当にいいプレイをしたと思う。
 だからこそ僕が嬉しいのは、彼がウィンブルドン決勝のあとの
 スランプに陥らなかったことだ。

 コートに戻るのは簡単でも、3回戦で負けることだって
 起こりうる。そうなったらさらに絶望的になるだろう。

 でも彼はそうならなかった。彼は再起し、金メダルを獲得した。
 これが本当のチャンピオンの成せる業だ」

ありがとう、フェデラー…(涙

***

さてもっと書きたいことがあるのですが、今日はこれからなんと、

日本対メキシコの男子サッカー準決勝 

を見に行ってきます!

準決勝はロンドンのウェンブリーとマンチェスター・ユナイテッドの
オールドトラフォードで行なわれる予定でしたが、
私はウェンブリーのチケットを持っていたので、最後まで
どの組合わせが
ロンドンに来るのか分からなかったのでひやひや。

でも無事 日本戦がロンドンに~っ(涙

女子に続いて『目指せ決勝進出』を叫んできます!