アンディ・マレー、二つの金メダルのチャンスを握る! | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

はいっ!イギリスはすっかりオリンピック一色で盛り上がっています!
私はこんな真っ最中になんと『仕事復帰』…
でも周りも五輪に夢中で、ほとんど仕事復帰になってません(笑

仕事でたまっていたことを片付けつつ、暇があるとオリンピックから
目が離せないという状況なので、すっかりブログを書く余裕が
なかったのですが、決勝前にぜひとも記録を残したいと思います。

イギリスは、五輪開始直後はメダルが銀と銅のたったの2個で
ホスト国としては悲しすぎる始まりでしたが、
金メダルの数が日々着々と増えており、現在3位に上昇!

こうして書いている間にも、次々に陸上で金メダルが増えているので
もう目が離せないのですが…

ここに何とアンディ・マレーの二つの金メダルのチャンスが加わって、
もう文句なしに素晴らしい五輪となりました~っ!!!!


ということで、昨日はウィンブルドンで五輪テニス準決勝が
行なわれましたが、まずは結果から…

フェデラー vs デルポトロ    3-6, 7-6, 19-17
マレー vs ジョコヴィッチ    7-5 7-5


***

今年に入って、デルポトロは5回もフェデラーに負けています。

でもアルゼンチンの期待を背負ったデルポトロは、今回こそは
フェデラーに食い下がり、なんと試合時間4時間26分という、
五輪史上最長記録の死闘となりました。

最終セットはタイブレークがないため、フェデラーがデルポトロの
サーブを追従する形で試合が進んだものの、フェデラーは冷静に
チャンスを待ち続け、最後は勝利をものにしました。

勝利が決まった瞬間、フェデラーはユニフォームのスイス国旗にキス。
こんな愛国心高いフェデラーの姿を見るのも初めてですね。


***

さてセリーナ・ウィリアムスが世界ナンバーワンのアザレンカ
文字通り『こてんぱんに叩きのめした』後は、いよいよイギリス国民が
やきもきして待っていた、マレー vs ジョコヴィッチの準決勝開始!

ジョコヴィッチは信じられないポジションから攻撃的なボールを
返すことで有名ですが、マレーも信じられないポジションから
思いもかけない場所にボールを返すことで有名です。

今回も全豪オープンの準決勝のリプレイといえるほど、
素晴らしいラリーの応酬となりました。

でも前回のマレーの焦点が世界一のジョコヴィッチに挑戦する
ことであったとしたら、今回のマレーの焦点は、試合直後から


とにかく 勝つ 


これだけです。

ジョコヴィッチのリターンに挑戦するかのように自信を持って
サーブを叩き込むばかりか、ネットに積極的に飛び出し、
これまでマレーのプレイが防御的すぎると批判していた人々を
黙らせるような攻撃プレイを展開し、1セット目を獲得。

2セット目の1ゲームで、やっとジョコヴィッチがブレークポイントを
握りますが、ここでもマレーは躊躇することがありません。

ドロップショット、パワーショット、強力なサーブと、大胆かつ
頭脳プレイを展開し、サービスを守りきります。

その後もジョコヴィッチは3度のブレークポイントのチャンスを
握りますが、最後のチャンスでも、マレーのベースラインからの
強力なウィナーに手も足も出ず、ただ首を振るしかありませんでした。

ということで、マレーがジョコヴィッチに7-5, 7-5でストレート勝ち!
再びウィンブルドンで、フェデラーとの決勝に挑むことになりました。


マレーはこの試合を振り返って、こう語りました。

「とにかくチームのために、国のために、そして最後は自分のためにも、
   メダルを取ることにかけていたんだ。

 これがトーナメント開始前のゴールだったけど、ついに確実に
 メダルを得られるポジションにたどり着いた。
 決勝はとにかく全力を尽くすだけだ」

4週間前の明日は、マレーが初のウィンブルドン決勝でフェデラーに
負けた日。

涙が乾く間もなく、ウィンブルドンに戻ってきたマレーですが、
一生に一度のチャンスにかけてがんばる他の選手たちとともに、
金メダルという大きな目標に向かって、これまで眠っていたマレーの
本物の闘争精神が呼び起こされたかのようです。

また絶え間ないバッシングを乗り越え、ついにウィンブルドン後
国民からのサポートを受けることになったマレーですが(涙)、
これがいかにマレーのキャリアにとって重要だったかを語りました。

「この一ヶ月は、キャリア中最高の素晴らしい月となった。
 ウィンブルドン後、この一ヶ月に僕が受けた支持こそ、
 僕にとって必要なものだったんだ。

 グランドスラムの決勝で負けるたびに、常に数ヶ月は
 辛い日々を過ごしていた。
 でもオリンピックのために戦うという意気込みで戻ってきたこと、
 そして人々の支持に答えることこそ、僕にとって必要な
 モチベーションだったんだ」

人間、どんなに心が頑強でも、自分のためだけに戦うことほど
孤独なことはありません。

ましてやマレーのように、何をしても批難されるという苦境を
強いられた末、やっと『他の人のためにも勝つ』という意義を
抱くことができるようになったことが、本当に彼のキャリアでも
最高の出来事となったんだと思います。

***

さてマレーの金メダルのチャンスはこれだけではありません。

18歳のローラ・ロブソンと組んでワイルドカードでエントリーした
ミックス・ダブルスでも、なんと決勝進出を決めました。


ということで、明日は金メダルをかけて、二度の決勝に
マレーが挑むことになります!

さて、ローラ・ロブソンが文字通りマレーにとってのゴールデンガールと
なりましたが、実はマレーのパートナーを巡り、チームGB内で
問題が巻き起こりました。

というのも、英女子テニスNo.1選手であるヘザー・ワトソンではなく、
ランク下のロブソンがマレーのパートナーに選ばれたからです。

ちなみにヘザー・ワトソンは世界ランキングシングルス67位、
ダブルス79位ローラ・ロブソンはシングルス96位、ダブルス283位

いくらロブソンがGBのチームメートとはいえ、この決断に対し、
ワトソンは無念さを隠しきれませんでした。

「(ロブソンより)私の方が選ばれるべきだと思ったわ。
 特に私はトーナメントのダブルス優勝したばかりだし。

 私が選ばれなかったことでひたすら悔しい気持ちだけど、
 どうすることもできないわ。
 でもオリンピックのために戦い続けたかったの」

パートナーを選ぶ立場となったマレーも、非常に辛い決断を
迫られました。

「自国で行なわれるオリンピックでメダルを獲得するために
 戦うことは、一生に一度しかない出来事だ。

 そのためにも最高のチャンスを作りたかったから、
 チーム内のいろんな人々に相談したんだ。

 僕自身は、女子ダブルスの試合を見たことがないから、
 とにかくいろんなアドバイスに耳を傾けるしかなかった。
 とても辛い決断だった。

 でも僕はコーチ陣やチームのアドバイスをひたすら聞き、
 その結果、メダルを勝ち取るための最高のパートナーを
 選んだんだ。

 もちろん僕は他の女子選手とミックスダブルスを
 組んだことがないから、これが正しい決断かどうかは
 判断できない。

 ヘザーは今年ダブルスで活躍したし、英ナンバーワン
 選手だから、彼女にとってはとても辛いことだと思うけど、
 時には辛い判断を下さなければならないこともあり、
 それが今回の決断となったわけなんだ」


私といえば、ロブソンがパートナーに選ばれたと聞いて、
もちろん超納得でした!

いくら机上ではワトソンのランクが上をいっていても、ダブルスの場合は
いろんな要素を考慮しなければなりません。

ヘザー・ワトソンの武器は足の速さ。でも14歳でウィンブルドンの
ガールズ優勝を決めたロブソンの武器はパワーショット。


五輪2回戦でも、ロブソンはシャラポワ相手に非常にいい試合を挑み、
1セット目は
6-7と迫りました。

ロブソンのパワーショットは、男子相手のミックスダブルスでも
大きな武器になります。
特に男性は女性を相手に狙って打ってくるので、ロブソンには
それに対抗する力があります。

となると、マレーがロブソンに欠けているフットワークを
カバーできるので、
攻撃プレイで攻めるには最高のコンビですよね。

またマレーは過去2度、全豪オープン前のホプマンカップでロブソンと
ミックスダブルスを組んで勝ったことがあり、意気が合うことが
証明されています。

もちろんマレーとロブソンが決勝進出を決めた今となっては、
まさにこの決断が正しかったことが証明されたといえますね。
ロブソンが固まったら、マレーはいいお兄さんぶりを見せるしっ!


ただ心配なのは、フェデラーが一日ゆっくり休みを取ったのに対し、
マレーはミックスダブルスで通常の準備ができなかったこと。

特に明日はグランドスラムと同じく全5セットマッチです。



とにかく最初の2セットをマレーが勝ち取ること!

そして雨が降らずに、フェデラーの
得意な
インドアにならないこと!



この二つの要素が揃えば、マレーの金メダルのチャンスは
ぐーんと大きくなると思います。

陸上とサッカーの応援が加熱してきているので、明日の決勝後に
お会いしましょう!