たとえば、世の中のモテない男子の代表のように言われる「オタク」。
ヨレヨレのネルシャツに、バックパックを背負い、紙袋を持って、秋葉原に足しげく通い、美少女フィギュアやアニメが好きで、家にこもってはネットやエロゲに明け暮れて、自分の世界に引き篭っている…。だいぶ紋切り型でステレオタイプな表現だけど、彼らは…実はオタクだからモテないんじゃない。
女の子に興味があることをひた隠し、自分の世界に閉じこもり、自分の趣味や好みを無意識に「恥ずかしい」ことだと思っている、それがモテない原因なんだ。
でも、これは仕方がないことかもしれない。
排他的で、本来慎ましやかに生きていた彼らは、メディアによって、エキセントリック性だけを切り取られて「オタク=気持ち悪い」というレッテルを貼られてしまっているわけだから、それを恥じ、隠したくなるのはしょうがない。
だって、彼らは、外の世界では疎まれて、敬遠されて、肩身の狭い思いをしているんだから。
さらに、自分たちの世界ではヒーローになれる。
誰しも、自分がヒーローになれる場所は、安心・安全で居心地が良くて、そこから抜け出したいなんて思わないだろう?
photo by Wolfhowl
けれども、ちょっと引いた目で見ると、彼らに限らず、ボクらはみんな、多かれ少なかれ何かのオタクだし、こだわりがあるし、偏りがあるはずだ。
パソコンオタク、映画オタク、アニメオタク、電車オタク、洋楽オタク、アロマオタク、車オタク…。また、人に言えることから、人に言えないような趣味嗜好まで…。
偉そうにしているアイツだって、イケメンを気取ってるアイツや、真面目そうなアイツだって、人目に触れないところでは、変な嗜好を持ってたりするんだから。
だったら、自分の好き嫌いに誇りを持ち、自分の美意識を信じて、唯一無二の感性に目を向けるんだ。周りに迎合して何者でもない「いい人」になるくらいなら、フィギュアが好きで、アニメが好きで、エロゲが好きだっていいんだ。
(ちなみに、自慢じゃないけど、ボクの頭の中は、たぶんエロゲに勝るとも劣らない、エロい妄想が詰まっている。)
最初は、自分に自信が持てなくたっていい。けれども、自分の好きなことに自信を持つ…というか、そこに自信があることを知ればいいんだ。
オタク性…言い換えれば、その揺るぎないマニアックでユニークな視点は、自分の世界では当たり前でも、外の世界では強力な個性になる。
もちろん、それを嫌う人もいるだろう。けれども、そのオタク性が、キミにとって何ものにも代えがたい大切なものであれば、捨てる必要なんてさらさらないし、自分らしさとして、持ち続ければいいんだ。
そのうえで、もし彼女が欲しいなら、女の子と仲良くしたいなら、そして、女の子にモテたいなら…モテるオタクを目指せ。
つまり、オタクのまま、どうやったらモテるかを本気で考え、学び、実践するんだ。
最初に言ったけど、オタクは、オタクだからモテないんじゃない。
潜在意識的な切り口で言うならば、フィギュアやアニメやエロゲが好きな自分はモテない…という、その無意識の思いが、結果として現実になっているだけだ。