ヒトヨヒトヨニ 12 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください









ユノは家に着くなり玄関で僕に抱きついて来た



「今日は凄い欲しがるじゃないですか」
「ん、何となく」


そして絡まる様な口付けをしてくるユノを僕は折れるくらい強く抱きしめた


ユノにつられてどんどん深くなる


頭が痺れる


そんなキスだった


僕は元々キスは好きだけどユノとのキスは特に好きだった
柔らかい唇も、交わる唾液も相性がいいのがわかる


そしてそれだけじゃなくてセックスそのものが慰め合いだとか、癒し合いだとか、そう言ってても結局相性が悪かったらセックスなんて出来ない訳で
ただ気持ちいい先に癒しがあって、慰められた、と言う感じがあって、そもそもユノとの行為にハマってたと言う事実は否めない


「ユノ取り敢えずベッドへ...」
「ここでいい」
「は?」
「いいから早く」


そう言って僕を引き寄せ、玄関先で強請るユノはエロいを超えている


僕はいつもにないシチュエーションに興奮した


夢中でユノを抱いた








「ユノ...今度こそ幸せになりなよ」


僕は乱れたユノの服を整えながら言う


社長との事だってすぐにわかったんだろうけど、ユノは返事に困ってる様子だった


「なれるかな」
「なれますよ」
「もう傷付きたくないんだ」
「勿論です」


社長は間違いなくいい人だ
それは見てたら分かる
容姿からも声からも滲み出てた
きっとユノを幸せにしてくれるだろうし傷付けたりしないって思うから、僕はユノの後押しをした


「チャンミンはそれでいいの?」


僕がそれでいいかって?ユノの質問の意味がわからない
ユノが社長と付き合う事で僕が関係ある?
ユノとの名前もない関係が終わるだけの事


あぁそうか、つまりこうやってユノを抱く事はもうなくなるんだ


「チャンミンは寂しくないのか?」
「慰めてくれる人がいなくなるって事ですね」
「そうだぞ、俺が居なかったらどうするんだ?」


どうもこうも


「チャンミンにもいい人が見つかればいいけど...俺だけ幸せになんてなれないよ」
「何言ってるんですか、そんなのそのうち見つかりますよ」
「...本当に見つかるのかよ」


それは分からないけど


「僕の事はいいですよ」
「でも...」
「僕は大丈夫です」


ユノの心配そうな眼差しに僕まで不安になる


確かにこの関係が終わったら僕はどうなるんだろう
寂しくて哀しい夜にも、もうユノを呼んでバーに行くことも、人肌恋しい夜にユノを抱く事もできないんだ


これからはひとりで過ごさなきゃならないんだな


例えそれは無理だと言った所で
名前もない関係のユノを行かないでと縛り付ける事は出来ない


だって僕達は恋人でもなんでもないんだから...


僕は誰よりもユノの幸せを願ってた筈だ


そんな僕がユノの幸せを邪魔する事は有り得ない


「じゃあ、俺行っちゃうぞ?」
「どうぞ」


そう言うしかなだろう


僕にどうしろって言うんだ


「...チャンミンのバカ」


ユノはどうして欲しかったの?
僕に行くなって行って欲しかったってとでも言うの?
それは逆にどうして?


わからなかった


僕はやっぱり、ただユノの幸せを願うだけだった








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