マーマレードラブ 2 | ラブストーリー

ラブストーリー

  何度だって言うよ あなたが好き
    

※BL表現が強い為、苦手な方はスルーでお願いします

お読みになってからの苦情や攻撃などはご遠慮ください

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
俺と課長は不機嫌そうなチャンミンを見上げて一瞬固まった。
 
 
チャンミンは何か怒ってるのか?
 
 
テーブルに置いた瓶ビールを掴んだチャンミンは無言で課長にビールを差し出す。
課長は驚きながらも俺から離れ、グラスを持つとチャンミンはそのグラスに上手に泡を作りながらビールを注いだ。
 
 
「おぉ、悪いな。」
「僕がお相手します。」
 
 
チャンミンはそう言って自分のグラスにもビールを注ぐ。
 
 
「そうか!」
 
 
課長は嬉しそうにチャンミンに自分のグラスをカチンと合わせグイッと一気に飲み干した。
それを見てチャンミンもグラスを空にする。
 
 
「チャンミン、いい飲みっぷりだな!」
 
 
ご機嫌になった課長は又チャンミンにビールを注いで行く。
課長のターゲットはチャンミンに変わった様だ。
 
 
助かったと思った俺はそろりと課長の横から隣のテーブルに移動した。
飲みの席は嫌いじゃないけど俺は酒に弱い。
あんなペースで課長に進められて飲んでいたら早々に潰れてしまう。
 
 
「…………。」
 
 
ってまさか。チャンミンは俺を助けてくれたのか?
俺はチャンミンを見た。
課長と機嫌良く話しながら飲んでるチャンミン。
 
 
まさか……な。
 
 
ただ課長と飲みたかったんだろう。
俺は2人の横で誰が頼んだのか運ばれて来たばかりの唐揚げを口に頬張る。
やっと落ち着いて食事が取れると思った俺だった。
 
 
俺はチャンミンと課長が飲んでるのを横で見守りながら黙々と食べていた。
 
 
チャンミンは流石営業慣れした口調で課長にどんどんビールを進めた。
その上これが美味しいんだとかあれが美味しいんだとか言って違う酒も飲ませる。
 
 
そんな風にチャンポンしたら潰れますよ?と俺は課長に言いたかったけど、課長も流石営業の上司だ。
酒には強くなかなか潰れはしなかった。
 
 
それでも大分酔ってる様で、思い出したように俺に絡んで来た。
そうすると又チャンミンに酒を進められる。
チャンミンの話術が課長を操ってるのが見て取れた。
やっぱり俺に課長が絡まない様にしているんだろう。
それは俺を助けるとかじゃなく。課長のご機嫌を取りたいだけ。
俺はそう思った。
 
 
饒舌に相手を気分良く酔わせ、この調子でいつも接待して契約を取るんだろうな。
俺は酒が飲めないからそう言った席で苦労をする事は多々あったから、そういう意味ではチャンミンに適わないのも仕方がないのかも知れない。
 
 
俺は又唐揚げを頬張った。
 
 
「ねぇユノ、口にマヨネーズが付いてるわよ。」
 
 
向かいに座る同僚にそう言われると周りの女性達が俺に注目した。
 
 
「チョンさん可愛いーー!」
「え?どこ?」
 
 
俺が口を拭こうとすると皆んながキャーキャー言いながらスマホのカメラで俺を撮る。
俺は困りながらもしたいようにさせておく。
 
 
「あざといですね。」
「え?」
「それわざとですか??」
 
 
いきなりチャンミンに声をかけられて、言われた言葉の意味がわからなくて首を傾げた。
 
 
「ユノはただの天然よね。」
 
 
女性達はそう言って笑ってる。
 
 
「どういう意味だよ。」
「可愛いって事。」
「俺は可愛いじゃないカッコイイだ!」
 
 
そう言っても全く意味もなく笑い飛ばされる。
 
 
「それ自分で言う?」
 
 
チャンミンが横でボソッと言ったのを俺は確かに聞いた。
俺はバカにされてると思う。
さっきあざといと言われたのも、チャンミンの嫌味だってわかってる。
でも俺は、ははは……と笑うしかできなかった。
 
 
「チャンミン君相変わらずキツー。」
「別に。」
 
 
俺にキツイチャンミンなんてのも、もう皆んなが知ってる事で。
それが又女性心を擽ってるのも俺はわかってる。
所謂そんなツンデレチャンミンも女性達は好きなんだ。
 
 
 
それこそわざとやってるのか?と言ってやりたい。
俺をいい様に使って女性にモテたいだけなんじゃないかとか思ってしまう。
俺は先輩だぞ?!
そう考えながらチャンミンを見ていたらチャンミンがこっちを見た。
 
 
「なにか?」
「いや。」
 
 
チャンミンは俺を睨んだ。
大きな目が睨むと余計怖い。
 
 
「睨むなよ。」
「睨んでません。」
 
 
別にいい。嫌われてるのはわかってるし。
もうこの関係をどうこうするつもりもないし。
どうこうなるとも思っていない。
 
 
「そーかよ。」
 
 
俺はふいっとチャンミンから目を逸らして頬を膨らます。
 
 
本当に俺にだけ嫌な奴だ。
 
 
俺は膨らました頬に頬杖を着いてチャンミンから逸らした視線の先に唐揚げがあったから、それをもう一個頬張った。
 
 
ここの唐揚げ、めちゃくちゃ美味しい。
大きくてカリッと中はジューシー柔らか。
塩味にマヨネーズが良く合っていた。
 
 
一瞬で気が緩んでしまい俺は別の皿にも手を伸ばす。
だし巻き玉子は大根おろしと食べると最高だ。
あー、頬も緩む。
 
 
「何、それもわざと?」
 
 
そんな俺を見ててチャンミンがまたそう言う。
 
 
「何がだよ。」
「そう言う所があざといって言うんですよ。」
「は?」
「カワイ子ぶっちゃって。」
「誰がカワイ子ぶってるんだよ。俺は男だし。」
 
 
なんでそこまで嫌われなくちゃならないんだ。
 
 
「なんだよお前達!本当仲が悪いな!」
 
 
半分泥酔状態の課長がそんな俺達のやり取りを見て絡んできた。
俺とチャンミンの肩をガッチリ掴んでくる。
かなり酒臭い。
 
 
「いい加減仲良くしたらどうだ?」
「仲良くも何も俺達は別に喧嘩してる訳ではありませんから。」
「そうか!じゃあお前達一緒に出張行ってこい!」
「は?」
 
 
なんでそうなる?
 
 
俺はびっくりして課長を見たけど、それはチャンミンも同じだった様で、俺とチャンミンは目が合って一緒に叫んだんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「「嫌です!」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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