もう、家族は忘れてしまったかもしれない。
きっと親戚なんて、そんなことを知る由もなかったのかもしれない。
でも僕は覚えている。
母のあの涙を。
例えば現在の光景がそれを緩和しても、当人が過去だと笑ったとしても、
僕は決して忘れない。
強い憤りは時間を超えてすり減って、行き場を失くしたまま浮遊している。
でも、だからと言って何もなかったかのように振る舞うのは違うと思うんだ。
どこかで何かしら決着をつけないといけないと思ってる。
これはもう、母の問題ではなく、僕の問題なんだ。
次に受け継ぐかは分からない。